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「うちの子、しっかり勉強してるのに、全然覚えていない気がする…」
そんな保護者の声を耳にすることがあります。その原因のひとつとして見落とされがちなのが、“睡眠不足”です。
実は、記憶力と睡眠には深い関係があります。いくら勉強時間を確保しても、脳が記憶を整理・定着できる状態でなければ、努力が結果につながりにくくなるのです。
今回は、寝不足がもたらす記憶力への悪影響と、改善のために家庭でできる工夫について詳しく解説します。
人間の脳は、寝ている間に「記憶の整理」を行っています。
特に「深い眠り(ノンレム睡眠)」の時間帯には、日中に学んだことや体験したことを長期記憶へと変換する作業が行われると、脳科学の研究でもわかっています。
つまり、勉強した内容を「覚える」ためには、勉強後の“質の良い睡眠”が欠かせないということです。
しっかり勉強したはずなのに、翌日には思い出せない。
これは、寝不足によって記憶が脳内でうまく整理されなかったことが原因です。浅い睡眠や短い睡眠では、脳が「一時的な記憶」を「長期記憶」に変換するプロセスが不完全になってしまいます。
記憶力と集中力はセットです。寝不足になると、脳の前頭葉の働きが鈍り、授業中や家庭学習中に集中できなくなります。結果として学習効率が落ち、ミスも増え、ますますやる気を失う悪循環に…。
睡眠不足は情緒にも影響します。イライラしやすくなったり、やる気が出なかったり…。勉強へのモチベーションが下がれば、記憶の定着にも悪影響を及ぼします。
年代によって理想的な睡眠時間は異なりますが、以下が一般的な目安です。
小学生:9~11時間
中学生:8~10時間
高校生:7~9時間
特に成長期にある小中学生は、体だけでなく脳の発達も活発な時期です。スマホやテレビの影響で就寝時間がどんどん遅くなっている家庭も少なくありませんが、成績や集中力に直結する問題なので、できる限り見直すことが大切です。
お子さんが次のような生活を送っていないか、ぜひチェックしてみてください。
・ベッドに入るのは22時以降がほとんど
・布団の中でもスマホを見ている
・学校や塾の宿題を深夜までやっている
・朝起きるのがつらく、朝食をとらないこともある
・休日は昼まで寝て、夜に眠れなくなる
このような習慣が続いていると、睡眠の質・量ともに低下し、勉強のパフォーマンスも大きく下がってしまいます。
理想は21〜22時に就寝し、朝6〜7時に自然に起きる生活リズムです。
学校の時間に合わせて「毎日同じ時間に起きる」習慣をまず作ることで、自然と眠くなる時間も早まります。
スマホやタブレットから出るブルーライトは、脳を覚醒させてしまいます。できれば寝る1時間前からは使用を控え、本を読む、音楽を聴くなどリラックスできる時間にしましょう。
テスト前に無理やり夜更かしして覚えても、翌日には記憶が飛んでしまっている…というのはよくある話。夜しっかり寝て、朝の時間を有効活用する勉強スタイルを意識してみましょう。
「勉強ばかりしないで、早く寝なさい!」と叱るのではなく、「今日もたくさん頑張ったね。しっかり眠って、明日に備えようね」と、ポジティブな声かけを心がけるのがおすすめです。
たくさん勉強しているのに成果が出ない…。
それは、頑張りが足りないのではなく、“記憶が定着する環境”が整っていないのかもしれません。
日々の睡眠時間や生活習慣を少し見直すだけで、記憶力・集中力は驚くほど改善します。
学力アップのためにも、まずは「しっかり眠ること」を大切にしてみてください。
毎日個別塾5-Days浜校・津島校教室長。 【好きこそものの上手なれ】 成長するためには「好き」という気持ちが必要不可欠です。 皆さんが「塾に行きたい!楽しい!好きだ!」と思えるような教室を目指しています。 この場が皆さんの将来の手助けになれる、気づきをあたえられる、そんな場になれるように様々な情報を発信していきます!