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「先生が教えてくれないとわからない」
「何をすればいいか指示がないと動けない」
こういった言葉を、子どもから聞いたことはありませんか?
今、多くの子どもたちが「受け身の学び」になりがちだと言われています。
しかし、これからの時代に求められるのは、自分で疑問を持ち、自分で調べ、そして自分で考える力です。
このような“自走力”は、学力や成績だけでなく、将来の仕事や人生の選択にも大きく影響します。
この記事では、子どもの未来を豊かにする「自分で調べる・考える習慣」の大切さと、その育て方について具体例を交えながら解説します。
日本の教育は長らく「教える人」と「教わる人」がはっきり分かれた構造でした。
もちろん基礎をしっかり教えることは大切ですが、それだけでは次のような問題が起こりがちです。
・自分から行動できない
・わからないとすぐに「教えて」と言ってしまう
・学ぶ意味を自分で見出せない
・テストのための勉強に終始してしまう
これでは、学びが一時的な知識の記憶にとどまり、「考える力」や「主体性」が育ちません。
さらに、将来社会に出たときに直面する問題の多くは、正解のない問いばかり。
「誰かが教えてくれるのを待つ」のではなく、自分で情報を探し、判断し、試行錯誤できる力が求められるのです。
では、子どもが「自分で調べ、考える」習慣を身につけると、どのようなメリットがあるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
人は「自分で調べて理解したこと」は、受け身で聞いた情報よりもずっと記憶に残りやすいことがわかっています。
例えば、ある小学生が「なぜ台風は毎年同じ時期に来るの?」という疑問を持ち、自分で天気や季節の仕組みを調べたとします。
その過程で、地球の回転や海水温、気圧など様々な知識とつながっていくため、学びが立体的になり、印象に残りやすくなるのです。
自分で情報を集めて答えを導き出した経験は、子どもにとって大きな成功体験です。
「自分にもできた!」という達成感が、次の学びへの意欲につながります。
これは、親や先生に「教えてもらった」経験よりも、はるかに自信になります。
インターネットやAIの発達で、情報は簡単に手に入るようになりました。
しかし、だからこそ必要なのは、「どの情報が正しいのか」「なぜそうなのか」を判断する力です。
調べた情報を自分の頭で考えて咀嚼する習慣がある子は、将来AIに任せられない「人間らしい力」を発揮できるようになります。
岡山県内のある中学1年生の例をご紹介します。
彼は授業中、「なぜ岡山には桃太郎伝説があるのか?」という素朴な疑問を持ちました。
夏休みに地域の図書館で調べたり、博物館を訪ねたりしながら、実際の文献や地元の民話をまとめてレポートを作成。
そのレポートは学校でも紹介され、「調べる→考える→まとめる」という一連のプロセスを自分でやり遂げたことで、彼はその後も学びに対して前向きになりました。
このような“疑問から始まる学び”が、子どもの内側から湧き上がる力を育てるのです。
では、どうすれば子どもに「自分で調べ、考える」習慣をつけられるのでしょうか?
家庭でできる具体的な工夫を紹介します。
子どもが「なんで?」「どうして?」と聞いてきたとき、すぐに答えるのではなく、
「いい質問だね。どう思う?一緒に調べてみようか」と、考える時間をつくることが大切です。
百科事典、図鑑、タブレットなど、自分で調べやすい環境を整えておきましょう。
「調べてみたら?」と言える環境があることで、学びの主導権が子どもに移ります。
調べたり考えたりする中で、間違えるのは当たり前。
その時は、「やってみたのがすごいよ」「じゃあ、次どうしようか」と前向きな声かけを心がけましょう。
日常会話の中で、親自身も「それ、知らなかった!調べてみよう」と言う習慣を見せることで、子どもも自然と真似します。
調べたことを家族にプレゼンしてもらうなど、小さな発表の場をつくると、アウトプット力や伝える力も育ちます。
学力はもちろん大切ですが、それ以上に、学び続ける姿勢や自ら考える力こそが、これからの社会で子どもたちを支えてくれる本当の力です。
「なぜ?」「どうすればいい?」と考え、調べ、答えを自分で見つけていく経験を重ねることで、子どもは“教えられる存在”から“学びを創る存在”へと成長していきます。
未来を切り拓くのは、指示を待つ子ではなく、自分で動ける子です。
その第一歩を、家庭から始めてみませんか?
毎日個別塾5-Days浜校・津島校教室長。 【好きこそものの上手なれ】 成長するためには「好き」という気持ちが必要不可欠です。 皆さんが「塾に行きたい!楽しい!好きだ!」と思えるような教室を目指しています。 この場が皆さんの将来の手助けになれる、気づきをあたえられる、そんな場になれるように様々な情報を発信していきます!