目次
みなさん、こんにちは!
毎日個別塾5-Days本厚木校の佐藤です。
不定期でお届けしている「不思議な数の世界シリーズ」へようこそ。
これまでのシリーズでは、約数を使った不思議な数字たちを紹介してきました。
第1回:完全数(自分ひとりで元に戻る数)
第2回:友愛数(2つの数字が支え合うペア)
第3回:婚約数(少し特別なルールで結ばれたペア)
1人で完結する数字、2人で手をつなぐ数字と見てきましたが、今回はいよいよさらにスケールアップします。
今回のテーマは「社交数(しゃこうすう)」です。
社交とは、たくさんの人が集まって交流したり、パーティーを楽しんだりすることです。数字の世界にも、まるで大勢で輪になって踊っているような仲良しグループが存在します。
それでは、数字たちの楽しいパーティーをのぞいてみましょう!
まずは、このシリーズでおなじみになった約数のルールを思い出してみましょう。
約数とは、ある数を余りなく割り切ることができる数のことでした。
そして今回も、
「自分自身を除いた約数をすべて足す」
という計算を使います。
完全数では、その結果が自分自身になりました。
友愛数では、その結果が相手の数字になりました。
社交数では、その結果が「次の数字」になります。
さらに、その次の数字でも同じ計算を行い、また次の数字へ進みます。
この計算を何度も繰り返していくと、最後にはぐるりと一周して最初の数字へ戻ってくるのです。
まるで輪になってボールを回すゲームのようですね。
世界で最初に発見された有名な社交数は、
12496
から始まります。
ここから順番に約数の和を計算すると、
12496
↓
14288
↓
15472
↓
14536
↓
14264
↓
12464
と続いていきます。
まだまだ終わりません。
数字たちは次々にバトンを受け渡しながら進み続けます。
途中では数十万という大きな数字も登場します。
そして驚くことに、28回目の計算をしたとき、
最初の12496へ戻ってくる
のです。
つまり、このグループには28個の数字が参加しています。
1人でもなく、2人でもなく、28人もの数字たちが輪になって順番に手をつないでいるのです。
まるで学校の運動会で行う大きなフォークダンスのようですね。
28人グループは壮大ですが、「もっと短いグループはないの?」と思う人もいるでしょう。
実はあります。
有名な4人組の社交数です。
スタートは
1264460
です。
計算を続けると、
1264460
↓
1547860
↓
1727636
↓
1305184
↓
1264460
となります。
わずか4回で元の数字へ戻ってきました。
28人グループがお祭りのような賑やかさだとすると、こちらは少人数で息の合ったダンスチームのような印象です。
どちらも立派な社交数ですが、グループの雰囲気が違って見えるのが面白いですね。
ちなみに、それぞれの数の約数を上げておくので、電卓で計算してみてね!
1264460 の約数(24個)
1, 2, 4, 5, 10, 17, 20, 34, 68, 85, 170, 340, 3719, 7438, 14876, 18595, 37190, 63223, 74380, 126446, 252892, 316115, 632230, 1264460
1547860 の約数(24個)
1, 2, 4, 5, 10, 20, 193, 386, 401, 772, 802, 965, 1604, 1930, 2005, 3860, 4010, 8020, 77393, 154786, 309572, 386965, 773930, 1547860
1727636 の約数(12個)
1, 2, 4, 521, 829, 1042, 1658, 2084, 3316, 431909, 863818, 1727636
1305184 の約数(12個)
1, 2, 4, 8, 16, 32, 40787, 81574, 163148, 326296, 652592, 1305184
完全数や友愛数は、どちらかというと「決まった相手」との関係でした。
完全数なら自分自身。
友愛数なら相手の数字。
ところが社交数になると、たくさんの数字が関わります。
AからBへ。
BからCへ。
CからDへ。
そして最後はAへ戻る。
まるでリレー競走のバトンパスのように、全員が協力しなければ輪が完成しません。
ひとつでも数字が欠けると、グループは成立しないのです。
そのため社交数は「数字のチームワーク」を感じられる特別な存在だと言われています。
完全数や友愛数は、2000年以上前の古代ギリシャの時代から知られていました。
ところが社交数が発見されたのはずっと後です。
1918年、ベルギーの数学者
ポール・プーレ
によって発見されました。
今から100年ほど前のことです。
しかも当時はコンピュータがありません。
現代ならコンピュータが一瞬で計算してくれるような作業を、紙と鉛筆を使って地道に調べていたのです。
気の遠くなるような計算を続けて社交数を発見したプーレの努力には、本当に驚かされます。
この発見によって、「約数の和の世界にはまだ知られていない秘密がある」ということが数学者たちに知られるようになりました。
ここで、社交数について考えると不思議なことに気付きます。
現在知られているものを整理すると、
1人で戻る → 完全数
2人で戻る → 友愛数
4人で戻る → 社交数
28人で戻る → 社交数
となっています。
では、
3人で戻るグループ
は存在するのでしょうか?
実は現在まで、一つも見つかっていません。
世界中の数学者がコンピュータを使って膨大な数字を調べましたが、3人組の社交数は発見されていないのです。
さらに不思議なことに、
5人組
6人組
7人組
8人組
も見つかっていません。
その次に見つかっているのは、なんと9人組です。
なぜ3人組や5人組が存在しないのか。
本当に存在しないのか。
それとも、まだ見つかっていないだけなのか。
実は誰にも分かっていません。
数学には「見つかっていない」と「存在しない」が全く違う意味を持ちます。
発見されていないだけなら、未来の誰かが見つけるかもしれません。
しかし存在しないことを証明するのは、とても難しいのです。
現代には、人間では到底できない計算を行うスーパーコンピュータがあります。
それでも社交数の世界には、まだ解けていない謎がたくさんあります。
どんな長さのグループが存在するのか。
3人組は本当にいないのか。
もっと大きな社交数はどれくらいあるのか。
こうした問題は今でも研究が続いています。
数学はすべて解き明かされた学問だと思われがちですが、実際にはまだまだ未知の世界が広がっているのです。
今回は、数字たちが輪になってつながる「社交数」を紹介しました。
社交数とは、
自分自身を除いた約数を足す計算を繰り返すと、最後に元の数へ戻ってくる数字のグループ
のことです。
世界で最初に見つかった社交数は28人グループ
4人組の社交数も存在する
1918年にポール・プーレによって発見された
たくさんの数字が協力するチームワーク型の数
3人組や5~8人組が見つかっていないという大きな謎がある
1人で完結する完全数。
2人で支え合う友愛数や婚約数。
そして、大勢で輪になる社交数。
数字たちにも、それぞれ違った個性やつながり方があるのです。
次回の第5回では、これまでの「ぴったり一致する数」の世界から少し離れて、自分自身にはどうしても届かない、ちょっと控えめな性格の数字「不足数(ふそくすう)」について紹介します。
数字たちの新しい一面を、ぜひ楽しみにしていてくださいね。
それでは、次回の「不思議な数の世界」でお会いしましょう!
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