近年、子どもたちのスマホ利用時間が著しく増加し、それに伴う心身への影響が懸念されています。
「うちの子、いつもスマホばかり見ていて心配…」
そう悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか?
そんなあなたにおすすめしたいのが、精神科医アンデシュ・ハンセン氏の著書「スマホ脳」です。
本書は、スマホやインターネットが子どもたちの脳に与える影響を科学的に解説し、子どもたちが安全に、そして適切にデジタル機器と付き合っていくための知識や対処法を提供しています。
今回は、「スマホ脳」の内容を参考に、保護者としてできることを具体的に考えていきましょう。
まず、子どもたちがなぜスマホに夢中になるのか、そのメカニズムを理解することが大切です。
スマホアプリやゲームは、脳内の報酬系を刺激し、ドーパミンという快楽物質を放出させます。
特に、SNSの「いいね!」やゲームのクリア報酬などは、ドーパミンを過剰に分泌させ、依存状態に陥りやすいと言われています。
スマホの通知や情報過多は、子どもの注意力を散漫にし、集中力を低下させます。
短い動画やSNSの投稿を次々と消費することで、脳は短時間の刺激に慣れてしまい、じっくりと考える力や読解力が低下する可能性があります。
スマホのブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させます。
特に、夜遅くまでスマホを利用することで、体内時計が乱れ、昼夜逆転や睡眠不足を引き起こしやすくなります。
では、スマホの過剰な利用は、子どもたちの脳に具体的にどのような悪影響を与えるのでしょうか?
前頭前野は、思考、判断、感情コントロールなどを司る重要な脳領域です。
スマホの使いすぎは、前頭前野の発達を阻害し、子どもの注意力、記憶力、自己制御能力などを低下させる可能性があります。
海馬は、記憶や空間学習に関わる脳領域です。
スマホの過剰な利用は、海馬の萎縮を引き起こし、記憶力や学習能力の低下につながる可能性があります。
扁桃体は、感情や恐怖反応に関わる脳領域です。
SNSでの誹謗中傷やネットいじめなどは、扁桃体を過剰に刺激し、子どもの不安やストレスを高める可能性があります。
これらの悪影響を踏まえ、保護者はどのように子どもたちのスマホ利用と向き合えば良いのでしょうか?
・スマホの利用時間や場所、アプリの利用制限などを具体的に決め、親子で合意しましょう。
・特に、食事中や就寝前のスマホ利用は避けるようにしましょう。
・ルールを守れたら褒める、守れなかったら話し合うなど、ペナルティとご褒美を決めましょう。
・子どもが何に興味を持っているのか、どんなアプリやゲームを使っているのかを把握しましょう。
・スマホの使い方やネット上の危険性について、親子で話し合う機会を設けましょう。
・子どもの話に耳を傾け、共感し、信頼関係を築きましょう。
・親自身がスマホの使いすぎに注意し、子どもたちの前でスマホばかり見ないようにしましょう。
・家族で一緒に過ごす時間を増やし、スマホ以外の楽しい活動を提案しましょう。
・読書や運動など、子どもの知的好奇心を刺激するような活動を促しましょう。
・寝室にスマホを持ち込まないようにしましょう。
・寝る1時間前からはスマホやパソコンの利用を控え、リラックスできる環境を作りましょう。
・朝日を浴びて体内時計を整え、規則正しい生活リズムを送りましょう。
・子どものスマホ依存が深刻な場合は、専門機関に相談することも検討しましょう。
・カウンセリングや専門家のサポートを受けることで、適切な対処法を見つけることができます。
スマホは便利なツールである一方、使い方を誤ると子どもたちの心身に悪影響を与える可能性があります。
保護者として、子どもたちのスマホ利用と向き合い、適切なサポートをしていくことが大切です。
「スマホ脳」は、そのためのヒントを与えてくれる貴重な一冊です。
ぜひ、本書を参考に、子どもたちの未来のために、今できることを始めてみませんか?
毎日個別塾5-Days東原校教室長。毎年安古市高校をはじめ県内の高校別の対策カリキュラムを作成。 高校には行かず、大検取得後独学で大学へ入学しました。 この経験からひとりで勉強する喜び、辛さ、何より成果を出すためには小さなことを積み重ねる必要があると学びました。 今はそれを教室で生徒に学んでもらっています。 自らが立てた目標に対して貪欲になれるような指導をしています。