はじめに

愛媛県立伊予高等学校（以下、伊予高校）は、1983年に愛媛県伊予郡松前町に開校し、2023年に創立40周年を迎えた県立高校です。「豊かな人間性を育てる教育の推進」を教育方針に掲げ、生徒一人ひとりの可能性を引き出す教育活動を展開しています。

学校の沿革と特色

伊予高校は、1983年に普通科450名の定員で開校しました。その後、施設の拡充や教育内容の充実を図り、2017年には「芸術クリエーションコース」、2018年には「地域イノベーションコース」を新設しました。これにより、生徒の多様な興味・関心や進路に応じた学びの場を提供しています。

2023年には創立40周年を迎え、記念行事として人文字をドローンで空撮するイベントが行われ、生徒と教職員が一体となって節目を祝いました。

教育方針と学びの特徴

伊予高校は、「自らの力で、自らの未来を切り拓く生徒の育成」を目指し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を重視しています。1年次は共通カリキュラムで基礎学力を養い、2年次からは進路や適性に応じたコース選択が可能です。

また、探究活動「探Ｑ」では、生徒が主体的にテーマを設定し、地域課題の解決や国際交流など多様なプロジェクトに取り組んでいます。例えば、松山大学との連携講座では、リーダーシップやマネジメントについて学び、大学生との交流を通じて実践的なスキルを身につけています。

充実した教育環境

伊予高校のキャンパスは、瀬戸内海を望む自然豊かな環境に位置し、学習や部活動に適した施設が整備されています。本館、普通教棟、特別教棟、図書館、体育館、武道場、プール、運動場などがあり、特に特別教棟には美術、書道、音楽、理科実験室、コンピュータ教室など専門的な学びに対応した教室が備わっています。

また、校内には廻遊式、スペイン風、枯山水式、フランス様式の庭園が設けられ、四季折々の風景を楽しむことができます。

部活動と地域連携

伊予高校は、部活動も盛んで、特に吹奏楽部は全国大会の常連校として知られています。2025年には第35回アイレックスコンサートを開催し、地域の音楽文化の発展に寄与しています。

また、地域との連携にも力を入れており、2024年には「空き家甲子園」の遊休施設部門で最優秀賞を受賞しました。これは、松前町の空き家を活用したアートイベント「The ocean art house」を企画・実施したもので、生徒の探究活動が地域課題の解決に貢献した好例です。

卒業生と進路

伊予高校の卒業生には、タレントの水田信二さん、サッカー選手の前野貴徳さん、俳優の片岡礼子さんなど、多方面で活躍する人材がいます。進路指導にも力を入れており、生徒一人ひとりの希望や適性に応じた進路選択をサポートしています。

さいごに

愛媛県立伊予高等学校は、豊かな自然環境と充実した教育施設のもと、生徒の個性や可能性を最大限に引き出す教育を実践しています。探究活動や地域連携を通じて、実社会で求められる力を育成し、地域社会に貢献できる人材の育成を目指しています。