はじめに

子どもの成長において、自己肯定感は非常に重要な役割を果たします。

自己肯定感が高い子どもは、困難に立ち向かう力や、自分を信じる力を持ってい

るため、将来的に様々な可能性を広げることができます。

しかし、子どもの自己肯定感は、生まれつき備わっているものではありません。日々の生活の中で、周囲の大人たちからの声かけや関わり方によって、育まれていくものです。

そこで今回は、子どもの発達段階に合わせて、自己肯定感を育むための声かけ術をご紹介します。

 

乳幼児期（0歳～2歳）

この時期の子どもたちは、まだ言葉を十分に理解できませんが、大人の愛情や温かさを感じ取ることで、安心感や信頼感を育みます。

　無条件の愛情を伝える

　　「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」など、愛情をストレートに伝えましょう。

　　結果ではなく、存在そのものを肯定することが大切です。

　安心感を与える

　　抱っこやスキンシップを通して、温もりを伝えましょう。

　　泣いた時には、優しく声をかけ、安心させてあげましょう。

　肯定的な言葉をかける

　　「かわいいね」「すごいね」など、子どもの行動や存在を肯定する言葉をかけましょう。

　　些細なことでも、具体的に褒めることがポイントです。

幼児期（3歳～6歳）

この時期の子どもたちは、自我が芽生え始め、様々なことに興味を持つようになります。成功体験を積み重ねることで、自己肯定感を育みます。

　成功体験を積み重ねる

　　簡単な目標を設定し、達成したら一緒に喜びましょう。

　　「できたね」「頑張ったね」など、努力や成果を認めましょう。

　チャレンジする機会を与える

　　新しい遊びや習い事に挑戦させてみましょう。

　　失敗しても、「次はこうしてみよう」と励まし、挑戦する意欲を育てましょう。

　個性を尊重する

　　「〇〇ちゃんは〇〇が得意だね」「〇〇くんは〇〇が好きなんだね」など、子どもの個性や興味を認めましょう。

　　他の子どもと比べるのではなく、その子自身の成長を褒めることが大切です。

 

学童期（7歳～12歳）

この時期の子どもたちは、社会性が発達し、友達関係や学習にも関心を持つようになります。自分の得意なことを見つけ、伸ばすことで、自信を深めます。

　個性を認め、得意なことを伸ばす

　　子どもの興味や才能を見つけ、応援しましょう。

　　「〇〇の才能があるね」「〇〇をもっと伸ばしてみよう」など、具体的な言葉で伝えましょう。

　努力や過程を褒める

　　結果だけでなく、努力や頑張りを認めましょう。

　　「よく頑張ったね」「諦めずに続けたことが素晴らしい」など、過程を重視する言葉をかけましょう。

　意見を尊重する

　　子どもの意見に耳を傾け、尊重しましょう。

　　「どう思う？」「あなたの考えを聞かせて」など、対話を通して子どもの主体性を育てましょう。

 

思春期（13歳～18歳）

この時期の子どもたちは、自我が確立し、自立心が強まります。過干渉を避け、見守ることで、自己肯定感を確立させます。

　自立を促す

　　自分で考え、行動する機会を与えましょう。

　　困った時には、アドバイスをする程度にとどめ、自分で解決する力を育てましょう。

　意見を尊重し、対話する

　　頭ごなしに否定せず、対等な立場で話し合いましょう。

　　「あなたの意見も尊重する」「一緒に考えてみよう」など、共感と理解を示す言葉をかけましょう。

　失敗を受け止める

　　失敗しても、「次はこうすれば大丈夫」と励まし、立ち直る力を育てましょう。

　　「失敗は誰にでもある」「そこから学ぶことが大切」など、失敗を成長の機会と捉える言葉をかけましょう。

声かけのポイント

　具体的に褒める

　　「すごいね」だけでなく、「〇〇ができたのがすごいね」「〇〇を頑張ったのが素晴らしいね」など、具体的に褒めましょう。

　タイミングを逃さない

　　良い行動や頑張りを見つけたら、すぐに褒めましょう。

　　時間が経つと、子どもの記憶が薄れてしまうことがあります。

　普段から肯定的な言葉を使う

　　「ありがとう」「助かるよ」「嬉しいよ」など、肯定的な言葉を意識して使いましょう。

　　肯定的な言葉は、子どもの心を温かくし、自己肯定感を高めます。

まとめ

子どもの自己肯定感を育むためには、日々の声かけが非常に重要です。子どもの発達段階に合わせて、適切な声かけを心がけましょう。

そして、何よりも大切なのは、子どもへの愛情と信頼です。子どもが「愛されている」「信じてもらえている」と感じることで、自己肯定感は大きく育まれます。

この記事が、子育てに悩む親御さんの参考になれば幸いです。