2025.03.8
【金融教育】なぜ今、金融教育が重要なのか?~変化する社会を生き抜く力を育むために~
近年、「金融教育」という言葉をよく耳にするようになりました。2022年4月からは高校の家庭科で金融教育が必修化され、社会全体で金融教育への関心が高まっています。しかし、「金融教育」と聞くと、まだ少し難しく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
なぜ今、金融教育が注目されているのでしょうか?
その背景には、以下のような社会の大きな変化があります。
- 社会経済状況の急速な変化:
- グローバル化と情報化の進展:インターネットの普及により、世界中の金融商品やサービスに手軽にアクセスできるようになりました。しかし、その分、情報過多や複雑化も進み、正しい判断が難しくなっています。
- 終身雇用制度の変容と将来への不安:かつては安定していた雇用環境も変化し、将来の年金制度への不安も高まっています。そのため、個々人が主体的に資産形成を行う必要性が増しています。
- 若年層の投資への関心の高まり:スマートフォンアプリなどを通じて、若年層でも手軽に投資を始められるようになりました。しかし、リスクに関する知識がないまま安易に投資を始めると、大きな損失を被る可能性もあります。
- 政府や関係機関の積極的な取り組み:
- 金融庁や日本銀行などの啓発活動:金融庁や日本銀行は、金融教育の重要性を広く社会に伝えるための啓発活動を積極的に行っています。
- 金融広報中央委員会の情報提供:金融広報中央委員会は、中立・公正な立場から、金融に関する様々な情報を提供しています。
- 成年年齢の引き下げ:成年年齢が18歳に引き下げられたことで、若年層が早い段階から金融に関する契約を結ぶ機会が増えました。そのため、契約に関する知識や判断力を養うことが重要になっています。
- 金融教育の必要性の高まり:
- 金融リテラシーの重要性:金融に関する正しい知識や判断力(金融リテラシー)は、将来の安定した生活設計に不可欠です。
- 金融トラブルや詐欺被害の防止:複雑化する金融商品やサービス、巧妙化する詐欺の手口から身を守るためには、金融に関する知識が不可欠です。
- 主体的に生きる力の育成:金融教育は、お金の価値や社会の仕組みを理解し、主体的に生きる力を育むことにもつながります。
金融教育で何を学ぶの?
金融教育では、お金に関する知識だけでなく、以下のような幅広い内容を学びます。
- 生活設計・家計管理:
- 収入と支出の管理、予算の立て方、貯蓄や投資の計画など、生涯を通じたお金の管理方法を学びます。
- 金融や経済の仕組み:
- 銀行や証券会社などの金融機関の役割、株式や債券などの金融商品の仕組み、経済の動きなど、金融や経済に関する基本的な知識を学びます。
- 消費生活・金融トラブル防止:
- 消費者としての権利や責任、契約に関する知識、金融トラブルや詐欺の手口と対策など、安全な消費生活を送るための知識を学びます。
- キャリア教育:
- 働くことの意義、様々な職業に関する情報、将来のキャリアプランの立て方など、将来の職業選択やキャリア形成に役立つ知識を学びます。
小中学生のうちに身につけておきたいお金の知識と習慣
では、小中学生のうちに、どのようなお金の知識を身につけておけば良いのでしょうか?
- お金の役割と価値を理解する:
- お金は、物やサービスと交換するための手段であること、そして社会の血液のようなものであること。
- お金は、働くことや物を作ることで得られること、そして、それには多くの人の労働や技術が関わっていること。
- お金には限りがあることを理解し、計画的に使うこと。
- 買い物の計画を立てる習慣を身につける:
- 欲しい物や必要な物をリストアップし、優先順位をつけること。
- 価格を比較検討し、予算内で購入すること。
- 無駄遣いを避け、貯蓄する習慣を身につけること。
- 金融トラブルや詐欺に注意する意識を持つ:
- インターネットやSNSでの怪しい情報に注意すること。
- 個人情報を安易に教えないこと。
- 困った時は、保護者や先生に相談すること。
- 社会の経済活動を知る:
- ニュースや新聞記事などで、経済の動きを知る。
- お店の人がどのようにして、利益を上げているのかを知る。
- 親の仕事について知り、社会とのつながりを知る。
家庭でできる金融教育:親子で一緒に成長するために
金融教育は、学校だけでなく、家庭でも行うことができます。
- お金について親子で話し合う機会を持つ:
- 買い物の計画や予算について、親子で話し合う。
- ニュースや新聞記事を題材に、経済や社会について意見交換する。
- お金に関する疑問や悩みを共有し、一緒に考える。
- お金の管理を体験する機会を与える:
- お小遣い帳をつけ、収入と支出を記録する。
- 貯金箱にお金を貯め、目標金額を達成する喜びを体験する。
- お手伝いをして、お金を稼ぐ経験をする。
- 金融教育に関する情報に触れる機会を作る:
- 金融広報中央委員会などのウェブサイトを活用する。
- 金融教育に関する書籍や教材を読む。
- 子供向けの金融教育に関するイベントやワークショップに参加する。
- お金に関する良い習慣を身に着けさせる:
- 物を大切にする。
- 感謝の気持ちを持つ。
- 寄付など社会貢献に触れさせる。
金融教育は、子供たちが将来、社会で自立し、豊かな人生を送るための重要な土台となります。ぜひ、家庭でも金融教育に取り組み、子供たちがお金と賢く付き合えるようにサポートしてあげてください。そして、親御様自身も、お子様と学ぶことによって、より金融知識を深めてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
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小池 聡
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毎日個別塾5-Days東原校教室長。毎年安古市高校をはじめ県内の高校別の対策カリキュラムを作成。
高校には行かず、大検取得後独学で大学へ入学しました。
この経験からひとりで勉強する喜び、辛さ、何より成果を出すためには小さなことを積み重ねる必要があると学びました。
今はそれを教室で生徒に学んでもらっています。
自らが立てた目標に対して貪欲になれるような指導をしています。