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「勉強をがんばったらごほうびをあげる」——
この方法、教育の現場では賛否が分かれるテーマです。
でも実は、ごほうびは使い方しだいで、子どものやる気を引き出し、習慣を育てる強力なツールになります。
特に小学生は、目に見える成果や達成感がモチベーションにつながりやすい時期。
今回は、「ごほうびシール」の活用法について、効果と注意点、そして家庭や塾での具体的な取り入れ方をご紹介します。
子どもが新しい行動を習慣にするには、“小さな成功体験の積み重ね”が欠かせません。
このとき、ごほうびは「行動のあとにポジティブな結果が返ってくる」ことを教えてくれる仕組みになります。
たとえば:
宿題をやったらシールを1枚
計算練習を5分できたらスタンプを1個
こうした「目に見えるごほうび」は、子どもの達成感や自信につながり、「またやろう!」という内発的なやる気を育てます。
特に低学年や“がんばる”ことに慣れていない子にとっては、行動のきっかけを作るための橋渡しとなるのです。
一方で、注意すべき点もあります。
それは、「ごほうびがないとやらない子」になってしまうリスクです。
勉強1回でお菓子やゲーム時間など“大きすぎる”ごほうび
成果が出ていないのに無理やり与える“なんでもOK”ごほうび
これでは、ごほうびが目的になってしまい、肝心の「学ぶ喜び」や「自分でやってみよう」という気持ちが育ちません。
ごほうびの基準は“具体的で達成可能な行動”に限定する
徐々にシール→口頭の称賛→自己評価へと移行する
“がんばった過程”をしっかり認めてあげる
あくまで「自分のがんばりが認められる」感覚を育てるための手段として使うことが大切です。
ごほうびシールは「貼るだけ」で終わらせるのではなく、工夫次第でさらにモチベーションと学習習慣を強化することができます。
ここでは、家庭で簡単に取り入れられる“ひと工夫”を3つご紹介します。
「今日は宿題プリントを最後までやる」「3日連続で机に向かう」など、シールと“具体的な目標”を結びつけて運用するのがおすすめです。
目標が明確だと子ども自身が達成感を感じやすく、行動が継続しやすくなります。
シールを貼るだけでなく、「どこをがんばったか」「何を意識したか」を短くメモする習慣をつけると、子どもの内省力も養われます。
たとえば:
「途中でやめたくなったけど、最後までがんばった!」
「昨日より漢字を3つ多く書けた」など
ごほうびが「評価」ではなく「自己成長の記録」へと進化します。
一定数シールがたまったら、達成シートに名前と日付を記録したり、ファイルに綴ったりして“成果の積み重ね”が目に見えるようにしましょう。
「がんばってきた自分」を視覚化できることで、自然と自信が育まれます。
このように、ごほうびは貼る・もらうだけではなく、「自分を見つめ、認める習慣」としても活用できます。
シールやスタンプで楽しく始めたごほうび学習も、いつかは“自分の力で続けられる”段階に移行していく必要があります。
ごほうびがあるうちは頑張れるけれど、なくなったらやめてしまう——そんな依存状態を防ぐには、段階的な“卒業”ステップが大切です。
● ステップ1:ごほうびの間隔を少しずつ広げる
最初は毎回シール→2回に1回→1日1枚と、自然な形で頻度を減らしていきます。
● ステップ2:「言葉のごほうび」への切り替え
「できたね!」「昨日より速かったね!」といった具体的な声かけを重視。
行動を認めることで、外からの報酬に頼らないモチベーションが育ちます。
● ステップ3:「自分でふり返る」仕組みをつくる
カレンダーやシール帳に「今日のがんばりポイント」を子ども自身に記録させることで、
「努力→認識→達成感→継続」のサイクルを自分の中に作れるようになります。
ごほうびは、ずっと使い続けるものではなく、“学習を自分のものにするための助走”です。
自然なかたちで卒業へ導くことで、自立した学びが定着していきます。
おわりに:ごほうびは“学びの入り口”になる
ごほうびは、最終的な目的ではなく、「学びの習慣化を助ける入り口」です。
小さな成功を積み重ねることで、子どもは少しずつ「勉強は楽しい」「もっとやってみたい」と感じるようになります。
無理なく、楽しく、でも着実に——。
そんな学習の第一歩を、ごほうびシールで一緒にスタートしてみませんか?
5-days横川教室の教室長。歴史の授業に自信があり、楽しくてわかりやすい解説が好評です。「生徒が誰かに勉強を教えられるほど得意になってほしい」を信念に、日々指導に熱を注いでいます。現在ダイエットにも挑戦中で、目標はあと5kg減!勉強も健康も、日々コツコツ積み重ねを大切にしています。
体験終了後、面談をさせて頂き、お子様に合わせた今後の学習プランをご提案させていただきます。
定期試験対策・受験対策にも使えます!毎日の学習習慣の定着化、苦手克服などにぜひご活用ください。