テスト勉強や資格取得、仕事に必要な知識の習得など、「暗記」は私たちの生活において避けては通れない課題です。しかし、多くの人が「覚えたつもりでもすぐ忘れてしまう」「時間をかけても結果が出ない」といった壁に直面しています。この記事では、脳の仕組みに基づいた「効率的な暗記法」を紹介し、短時間で効果的に記憶を定着させるコツをお伝えします。
人間の記憶は、大きく分けて「短期記憶」と「長期記憶」に分けられます。短期記憶は一時的な情報の保存場所で、数秒から数分しか保持されません。一方、長期記憶は長期間保存できる記憶の領域です。効率的な暗記とは、「短期記憶に入った情報を、いかにして長期記憶に移すか」ということになります。
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが発表した「忘却曲線」によると、人は何もしないと学習した内容の約7割を1日以内に忘れてしまいます。つまり、復習のタイミングが極めて重要です。特に「24時間以内の復習」が記憶定着に大きく貢献することが分かっています。
暗記の最大の敵は「詰め込み学習」です。テスト前日に徹夜で詰め込む方法では、短期記憶にしか残らず、すぐに忘れてしまいます。これを防ぐために効果的なのが「分散学習」です。
具体的には、次のようなスケジュールで復習を行うとよいでしょう:
このように間隔をあけて繰り返すことで、記憶はより強固になります。
「読み返すだけ」「ノートを眺めるだけ」といった受動的な学習は、記憶に残りにくい傾向があります。代わりにおすすめなのが「アクティブ・リコール」、すなわち自分の頭で思い出すトレーニングです。
たとえば、英単語を覚える際、単語帳を見て「意味を思い出す」だけでなく、意味を見て「単語を思い出す」訓練も行います。また、問題を解く、誰かに説明する、といった方法もアクティブ・リコールの一種です。
近年では、エビングハウスの理論を取り入れた学習アプリが多数登場しています。たとえば「Anki」「Quizlet」などのアプリでは、復習タイミングを自動で調整してくれる機能があり、忘れる前にちょうどよく復習できるようになっています。これにより、自分でスケジュールを管理する手間が省け、記憶の効率も格段に向上します。
新しい情報を既に知っている情報と関連づけることで、記憶は定着しやすくなります。これを「記憶のフック」と呼ぶことがあります。
たとえば、「バクテリア=細菌」と覚える際、「バクバク食べる小さな生き物」と語呂合わせしたり、「細菌=サイキン=最近」と音で結びつけたりすると、より記憶に残りやすくなります。関連するイメージやストーリーを加えることで、脳は情報を「意味あるもの」として記憶します。
視覚・聴覚・触覚など、複数の感覚を使うと記憶の定着が良くなるとされています。たとえば、音読をすることで「目で見て、口で言い、耳で聞く」という複数の刺激が同時に働き、記憶しやすくなります。
また、手で書くという行為も非常に有効です。タイピングよりも手書きの方が記憶に残りやすいという研究もあります。書くことで脳が情報を整理し、「これは重要だ」と判断するのです。
「寝る前の勉強は効果的」と聞いたことがある人も多いでしょう。実際、睡眠中に脳は記憶を整理・定着させる働きをします。特に深い睡眠(ノンレム睡眠)の間に、その日に得た情報が長期記憶に変換されると考えられています。
そのため、寝る前の復習は非常に効果的です。また、徹夜は記憶力を著しく低下させるため、避けるべきです。
効率的な暗記には、単に時間をかけるのではなく、「脳の仕組みに合った方法」を取ることが大切です。今回紹介したポイントをまとめると以下の通りです。
〇復習のタイミングを工夫する(分散学習)
〇自分の頭で思い出す訓練をする(アクティブ・リコール)
〇関連付けや語呂合わせで「記憶のフック」を作る
〇五感を活用し、多面的に記憶する
〇睡眠をしっかり取り、寝る前の学習を意識する
〇デジタルツールやアプリを賢く活用する
これらを日常の学習に取り入れることで、同じ時間でも記憶の定着率が飛躍的に向上します。暗記が苦手だと感じている人ほど、こうした「科学的な学習法」を意識してみることで、驚くほどの変化が得られるはずです。
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