「勉強しなきゃいけないのに、なかなか集中できない…」そんな悩みを持つ小学生・中学生・高校生は多いのではないでしょうか?テスト前や受験勉強中は特に、集中力の低下に悩まされることが増えるものです。集中力が続かない原因は、環境や習慣、体調、精神状態などさまざまですが、ちょっとした工夫で驚くほど改善できることもあります。
「集中力」は学習効率に直結する重要な要素です。集中できていない状態で何時間も机に向かっても、短時間で集中して勉強した方が効果的であることは多くの研究でも証明されています。今回は、科学的にも効果が認められている、勉強に集中できないときに試すべき5つのテクニックをご紹介します。
「ポモドーロ・テクニック」は、イタリア語で「トマト」を意味する言葉から名付けられた時間管理法で、25分勉強+5分休憩のサイクルを繰り返す方法です。脳科学的にも、人間の集中力は20〜30分程度で低下し始めるという研究結果があり、この時間配分は理にかなっています。
1.タイマーを25分にセットし、勉強を開始(この間は絶対に中断しない)
2.タイマーが鳴ったら5分間休憩(SNSチェックやストレッチなど)
3.これを4回繰り返したら15〜30分の長めの休憩を取る(軽い運動や好きな活動をする)
この方法を続けることで、脳が「25分間は集中する時間」と認識するようになり、短時間で効率よく学習が進むようになります。最初は20分に設定するなど、自分に合った時間で調整するのもおすすめです。
・短時間の集中なので挫折しにくい
・休憩時間が決まっているので「あとどれくらい頑張れば休めるか」が明確
・1日の勉強量が「何ポモドーロできたか」で測れるため達成感を得やすい
集中力を高めるには、勉強環境を徹底的に見直すことが重要です。私たちの脳は周囲の環境から大きな影響を受けており、適切な環境づくりが集中力向上の鍵となります。
・机の上を整理整頓(必要なもの以外は置かない)
視界に入るものが多いほど脳は情報処理に負荷がかかり、集中力が低下します
勉強に必要な教科書、ノート、筆記用具のみを机の上に置きましょう
・スマホは別の部屋に置く(または電源オフ・機内モード)
スマホが視界に入るだけでも脳の一部はそちらに注意を向けています
通知音やバイブレーションがなくても、無意識にスマホを確認してしまう「ファントムバイブレーション症候群」が起こることも
・音環境を整える
完全な静寂が良い人もいれば、一定のBGMがある方が集中できる人もいます
・カフェの環境音(カフェノイズ)や自然音、クラシック音楽などは集中力を高める効果があるとされています
・イヤホンやノイズキャンセリングヘッドホンの利用も検討しましょう
・照明を適切に調整する
暗すぎると眠気を誘い、明るすぎると目が疲れやすくなります
自然光が入る環境が理想的ですが、夜間は目に優しい電球色の照明がおすすめです
・温度と換気に注意する
室温は20〜22度程度が理想的とされています
定期的に換気をして、酸素が十分に行き渡る環境を作りましょう
毎回決まった**ルーティン(習慣)**を作ることで、脳が自動的に「勉強モード」に切り替わりやすくなります。これは条件反射のようなもので、特定の行動が勉強の開始合図となるのです。
・勉強前に3分間の深呼吸やマインドフルネス
・深呼吸をすることで副交感神経が優位になり、リラックスした状態で集中できます
・決まった時間に勉強を始める
・体内時計(サーカディアンリズム)を整えることで、その時間になると自然と脳が活性化します
・「勉強スイッチ」を決める
・特定の音楽を1曲だけ聴く
・アロマディフューザーでリフレッシュ効果のあるレモンやローズマリーの香りを焚く
・勉強用の眼鏡やカーディガンに着替える
・勉強開始のマントラ(言葉)を唱える
・「よし、集中するぞ!」などの言葉を決めて唱えるだけでも効果があります
ルーティンは21日間続けることで習慣化されると言われています。最初は意識的に行っていたことも、続けるうちに無意識のうちに勉強モードに入れるようになるでしょう。
「今日は5教科すべて終わらせる!」といった大きな目標を立てると、やる前から心理的負担を感じてしまいます。小さな目標を設定し、達成感を得ながら進めることが長時間の集中力維持には効果的です。
・「マイクロゴール」を設定する
・「英単語10個覚える」「数学の問題3問解く」など、15分程度で達成できる小さな目標にする
・「5分だけやってみる」という超小さな目標から始めるのも効果的
・視覚化できるチェックリストを作る
・ToDoリストアプリや紙のチェックリストを活用する
・終わったら✅をつけて達成感を視覚化する
・「報酬システム」を取り入れる
・目標達成ごとにポイントを貯め、一定ポイントたまったら好きなことをする
・小さな目標達成ごとに小さなご褒美(お菓子を1つ食べる、1分間SNSを見るなど)
・大きな目標達成には大きなご褒美(好きな映画を観る、ゲームをするなど)
達成感を得ることで脳内ではドーパミンが分泌され、さらなるモチベーションアップにつながります。小さな成功体験の積み重ねが、勉強への前向きな姿勢を育みます。
集中力は、体調によっても大きく左右されます。どんなに環境を整えても、体調が優れなければ集中力は発揮できません。
・睡眠の質と量を確保する
・中高生は7〜9時間の睡眠が理想的です
・寝る1時間前にはスマホやPCの使用を控え、ブルーライトをカットする
・同じ時間に寝て同じ時間に起きる習慣をつける
・水分をこまめに取る
・脱水状態だと脳の働きが2〜3割低下するという研究結果も
・勉強中は500mlのペットボトルを用意し、1時間に1回は水分補給する
・適度な運動を取り入れる
・勉強の合間に軽いストレッチや5分程度の有酸素運動をする
・脳の血流が良くなり、集中力がアップします
・脳に良い食事を心がける
・脳のエネルギー源となるブドウ糖を含む炭水化物
・DHA・EPAを含む青魚
・集中力を高めるとされるナッツ類やダークチョコレート
・カフェインは適量であれば集中力アップに効果的(※中学生以下は控えめに)
勉強に集中できないときは、環境・習慣・目標設定・体調の4つの観点から見直し、小さな工夫を積み重ねることが大切です。すべてを一度に完璧に実践する必要はなく、まずは自分が「できそう」と思うテクニックから試してみましょう。
集中力は筋肉と同じで、トレーニングによって鍛えることができます。最初は15分も集中できなかった人が、これらのテクニックを実践することで、次第に30分、1時間と集中力を持続できるようになっていきます。
テクニック |
方法 |
効果 |
1. ポモドーロ・テクニック |
25分勉強+5分休憩を繰り返す |
脳に休息を与えながら集中力を維持できる |
2. 勉強環境を整える |
机を片付け、スマホを遠ざける |
外部刺激を減らし、集中を妨げる要因を排除 |
3. ルーティンを作る |
勉強前の決まった習慣を作る |
脳が自動的に勉強モードに切り替わる |
4. 目標を小さく設定 |
マイクロゴールの達成を積み重ねる |
達成感を得ながらモチベーションを維持 |
5. 体調管理を意識 |
睡眠・水分・食事・運動に気を配る |
脳と体のコンディションを最適化 |
毎日個別塾5-Daysでは、集中力を高めるための環境づくりや時間管理術を指導し、一人ひとりに合った学習計画を提案しています。「なかなか集中できない…」と悩んでいる方は、ぜひ無料カウンセリングにお越しください!集中力アップのための具体的なアドバイスをご提供いたします。
株式会社5コーポレーション代表取締役社長。広島市東区出身。広島市立基町高等学校、立命館大学文学部卒業。大学在学中から、家庭教師派遣・個別指導塾の運営スタッフとして働き、卒業後はそのまま就職。20代半ばで独立し、福岡で家庭教師派遣の会社を共同設立する。2008年、広島市安佐南区に週5日定額で通塾できる毎日個別塾5-Daysを新規開校。以降、広島・福岡を中心に教室数を拡大。2010年、株式会社5コーポレーションを設立。2020年現在、関東から九州エリアまで、FCを含む約150校を運営している。また、教育DXヤルキプラス®︎、小学生プログラミング教室QUREO、個別指導型英語教室Leptonなどの教育関連事業も展開中。