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「うちの子、最近なんだか自信をなくしているようで…」
保護者の方からよく聞くお悩みの一つです。
テストの結果が思うようにいかなかったり、友達とうまくいかなかったり、部活や習い事でつまずいたり。子どもは日々、大小さまざまな失敗や挫折を経験し、そのたびに「自分はダメなのかも」と自信を失ってしまうことがあります。
では、そんなとき、親としてどんな言葉をかけるべきなのでしょうか?
逆に、どんな言葉が子どもの心をさらに追い込んでしまうのか?
今回は「子どもの自信を支える声かけ」について考えていきましょう。
親としての経験や予測が当たっていたとき、つい出てしまいがちなこの言葉。
しかし、これは「今の自分のダメさを責められた」と子どもが感じてしまいやすく、ますます心を閉ざしてしまいます。
この言葉の裏には「あなたのためを思って忠告していたのに…」という親の思いやりもありますが、それが伝わることはほとんどありません。
失敗の直後に責められると、「自分は何をやってもダメなんだ」という思いが強化されてしまうのです。
「もっと強くなってほしい」という気持ちから出てくるこの言葉も、注意が必要です。
親としては「社会に出ればもっと大変なこともあるよ」「これくらいで落ち込んでいては困るよ」という意図があるのかもしれません。
しかし、子どもにとっては「今つらい」という気持ちこそが現実であり、無視されたような気持ちになります。
「気持ちをわかってもらえなかった」と感じた瞬間、子どもは一人で悩みを抱え込むようになりがちです。
比較は自信を育てるどころか、むしろ奪ってしまう行為です。
子どもにとっては「自分は劣っている」「自分は愛されない存在かもしれない」という不安が募ってしまいます。
また、他人と比べられることが常態化すると、自分なりの努力や成長ではなく「他人より上か下か」でしか自分を評価できなくなってしまいます。
子どもが自信を失っているときに大切なのは、「評価」ではなく「共感」そして「信頼」です。
以下は、子どもの自己肯定感を支えるための具体的な声かけの例です。
まずは、感情に寄り添うこと。
子どもが失敗したとき、「悔しい」「恥ずかしい」「情けない」といった感情を抱くのは自然なことです。
その気持ちを否定することなく、「そう感じるのは当たり前だよ」と伝えるだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じ、安心します。
この安心感が、次の一歩を踏み出す力になります。
子どもの“主体性”を信じる言葉です。
失敗の後、つい親が「じゃあこうしなさい」と先回りしたくなるものですが、まずは子ども自身に考えさせることが重要です。
「自分で考えて行動することができた」
この小さな成功体験が、「自分はできる」という感覚を生み、自信の回復へとつながっていきます。
できれば日頃から、具体的な“良さ”を伝える習慣をつけましょう。
「コツコツ頑張るところ、見てるよ」
「友達に優しくしてたね。そういうの素敵だと思う」
“結果”ではなく“過程”や“姿勢”に注目して伝えることがポイントです。
失敗したときも、「あの努力は無駄じゃなかったよ」と言われることで、子どもは「自分には良いところがある」と再確認できるのです。
大人になってからも、自信が持てない時期はあります。
ただ、「それでも、また立ち上がろう」と思える力は、子ども時代の経験が大きく影響しています。
失敗しても、落ち込んでも、「あなたには価値がある」と伝えてくれた人がいた。
そういう経験こそが、「自分は大丈夫」と信じるための根っこになるのです。
子どもの心は、大人が思っている以上に繊細です。
だからこそ、失敗や挫折の場面は「自信を失うきっかけ」ではなく、「親子の信頼を深め、自信の土台を育むチャンス」と捉えてみてください。
言葉には力があります。
今日かけた言葉が、明日の勇気につながるかもしれません。
5-days横川教室の教室長。歴史の授業に自信があり、楽しくてわかりやすい解説が好評です。「生徒が誰かに勉強を教えられるほど得意になってほしい」を信念に、日々指導に熱を注いでいます。現在ダイエットにも挑戦中で、目標はあと5kg減!勉強も健康も、日々コツコツ積み重ねを大切にしています。