「うちの子、語彙力がちょっと心配で……」と感じたことはありませんか?
語彙力とは、単に「難しい言葉を知っていること」ではなく、自分の感じたこと、考えたことを適切な言葉で表現できる力のことです。そしてこの力は、文章読解や作文といった国語の学力だけでなく、算数や理科の文章題理解、さらには人間関係の中でのやりとりにも大きく影響します。
近年の教育現場では、思考力・表現力・対話力といった“自分の言葉で伝える力”がますます重視されています。そんな中で「語彙力がある」というのは、子どもにとって大きな武器になります。
では、その語彙力をどう育てていくか?本や教材ももちろん効果的ですが、もっと手軽で、しかも毎日できる方法があります。それが「家庭での声かけ」です。何気ない日常の会話を、ちょっとした工夫で“語彙のトレーニング”に変えることができるのです。
今回は、保護者の方が日常会話の中ですぐに実践できる、語彙力アップのための「声かけ7選」をご紹介します。
子どもの思考を深掘りする定番の問いかけです。考えた理由を説明しようとすることで、「なぜ」「だから」「たとえば」などの接続語が自然と使えるようになります。「なんとなく」と答えたときでも、「その“なんとなく”ってどんな感じ?」とさらに掘り下げていくと、子どもは自分の感覚を言葉にしようと努力します。
子どもが一言で済ませてしまいがちな話題に対して、広げるチャンス。「今日は楽しかった!」で終わらず、「どこで?」「誰と?」「何が一番楽しかった?」と細かく尋ねていくことで、状況描写や時間の流れ、登場人物の整理など、語彙のほかにも構成力が自然と育ちます。
抽象的な言葉を具体化させる問い。たとえば「たのしかった」→「どんなところが?」「どんなふうに?」と掘り下げることで、描写力も高まります。また、「こわかった」「すごかった」などの感情語に対しても「たとえば?」を使うと、体験の再現力が育ちます。
子どもが使った言葉の意味をあえて聞いてみることで、言葉の定義や使い方を考えるクセがつきます。「わからないふり」をするのがポイント。「“じゅうぶん”って、どういうこと?」「“しんけん”ってどんな感じ?」と親があえて尋ねることで、子どもは自分なりに言葉を解釈しようとします。
類義語・反意語に触れる入り口となる声かけ。「“楽しい”の似た言葉って?」「“怒ってる”って他にどんな言い方がある?」と聞くことで、感情や状態を表す言葉のバリエーションが増えていきます。絵本やマンガのキャラを例にして聞いてみると、子どもも答えやすくなります。
比較する力や、言葉のニュアンスを意識する力を育てる問い。たとえば「犬と猫、どっちが静か?」「どうしてそう思う?」といった対話が思考と語彙を育てます。「今日は昨日より寒い?」「楽しいと面白いのちがいって何だと思う?」といった日常の中で自然に取り入れられます。
想像力をふくらませながら語彙を使う問いかけ。「もしも自分が校長先生だったら?」「宇宙に行ったら?」といった“もしも話”は、子どもたちが大好きなテーマです。会話が盛り上がると同時に、「仮定」「未来」「因果関係」など複雑な語彙や表現にも触れやすくなります。
✅急に言っても戸惑うこともあるので、会話の中でさりげなく使うのがコツです。
✅「質問されるのは楽しい」と思えるように、子どもが自由に話せる空気を大切にしましょう。
✅子どもの答えに正解は求めすぎず、「へぇ、そう考えたんだ!」とまずは受け止めることで、語彙の幅は広がっていきます。
✅朝の身支度中、車や自転車での移動中、夕食やお風呂の時間など、日常のすきま時間にちょこっと取り入れるのも効果的です。
語彙はテストのためだけの知識ではなく、考えや気持ちを伝えるための“道具”です。家庭での声かけが、その“道具箱”を少しずつ大きくしていくきっかけになります。「うちの子、話すのが得意じゃなくて…」と感じる方ほど、ぜひ試してみてください。「話したい!」という気持ちが芽生えると、語彙の成長は一気に加速します。
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