ゴールデンウイークも終わり、だんだんと暑くなる季節になってきました。
みなさま、夏に行くなら海と山、どっちが好きですか?
今回は夏休みの行楽の行先として人気を二分する海と山のうち、海の雑学について紹介します!
青い海、白い砂浜…なんてよく言われますよね。でも海の水をすくってみても透明で、青い色なんてついていません。
水が多くあるから青になるのかと思いきや、プールの水は青くないですよね?それに海だっていつも青くはありません。
黒っぽく見えたり、緑っぽく見えたりもします。海の色はどこからくるのか、その秘密を探っていきたいと思います!
海が青く見える理由―それは実は、「光の散乱」です!
と言われても、「光の散乱」なんてあまり聞き覚えがない言葉ですよね。
光が散らかる、なんて一体何が起きているのでしょうか。それで青くなるってどういうことでしょうか。
実は、光には様々な色がついています。人間が見ている「色」は、ある色の光を物体が跳ね返す(反射)することで、
目に入ってきた光の色を見ているのです。
太陽の光は白っぽく見えますが、これは様々な色の光が重なった結果、白に見えています。
それでは太陽の光には、何色が含まれているのでしょうか。
みなさん虹を見たことがありますか?虹の色は赤、だいだい、黄、緑、青、藍(あい)、紫といわれています。
この色が太陽光に含まれている光の色です。
この光のうち、青や藍が主に反射されることで、海の色を作っているのです。なぜ青や藍が海の色として人間の目に見えるのか、この秘密には水の性質が関係しています。
きれいな水の中を光が通り抜けるとき、光の一部は水の中に吸収され、反射されなくなります。
反射されなくなると人間の目には見えなくなりますが、このとき、光の色によって、水への吸収のされ方が違うのです。
赤やだいだいの光は水にとてもよく吸収され、水中を7メートル進む間に1/100にまで暗くなってしまいます。
一方、青の光は水に吸収されにくく、1/100に暗くなるまでに水中を200メートル進めます。
この水の性質によって、水中に入った太陽光は、赤、だいだい、黄の光が吸収されてしまい、残った光のうち、
特に吸収されづらい青の光が残ることになるのです。
プールの水が上からみても青くないのは、青以外の光を吸収してしまうためには水の深さが足りないからです。
この青の光が反射して私たちの目に入ることによって、海は青く見えるのですが、実はそのためには、もうひとつ必要な
ものがあります。
青い海、白い砂浜…とセットのように取り上げましたが、白い砂浜は海が青く見えるために大切な役目を負っています。
砂浜が「白く」見えるのは、すべての色の光を等しく反射するからです。
水中を進んだ光が白い砂浜にぶつかると反射して方向を変え、水面から出て行って目にとどきます。
この往復運動の間に赤っぽい光は水に吸収され、残った青っぽい光だけが私たちの目に届き、海は青くみえるのです。
それではもし、底に白い砂浜がない深い海だったり、水に何かが混じった、きれいでない水だったりしたら、
海の色はどうなるのでしょうか。
底が見えない深い海だったとき、水中を進んだ光は底にぶつかることなく海の中に潜っていってしまいます。
水中で光が方向を変えることがないので、水面から出て私たちの目に入ってくる光がほとんどない状態、
すなわち暗く、黒くみえます。
船に乗って沖に出ていくと海は青というより黒に近い色になっていきますが、これは海が深く、底に反射して戻ってくる
光がほとんどないことが原因です。
水に何かが混じっているときは、その混じったものの性質によっても海は色を変えます。
例えば雨や風によって、水面近くに土砂が巻き上げられたときは、水の代わりに土砂が光を散乱して海は灰色や黄土色に
見えます。
土砂自体に色がついていれば、その色も影響します。
面白いのは、水面近くに小さな生き物(プランクトン)が多くいるときです。
水面近くに多いプランクトンは光合成をするという植物の性質をもつものが多く、植物プランクトンと呼ばれます。
この植物プランクトンがもつ光合成のための器官を葉緑体といいます。この葉緑体は光を吸収して光合成の原料にするの
ですが、赤や青の光をよく吸収する性質があります。
水が散乱した青い光を植物プランクトンが吸収してしまうのです。このとき、海は何色に見えるのでしょう。
正解は緑、です。
葉緑体は赤や青の光をよく吸収しますが、逆に緑色の光を反射してしまいます。
青い光が植物プランクトンに吸収されてなくなってしまうと、あとに残った緑色の光が水面から出て私たちの目に届くのです。
植物プランクトンの種類によっては緑から青の光を吸収するものがあり、これが大発生すると海が赤く染まって見える、
いわゆる赤潮が発生することがあります。
海の色の秘密、いかがだったでしょうか。海は海中の地形や生き物などの関係で、実に様々な色を見せます。
夏休みに海に行くことがあったら自分の目で海がどんな色をしているのか観察してみてください。
そして、どうしてそんな色なのか、考えてみましょう!
参考文献 みんなが知りたいシリーズ4海水の疑問50 日本海水学会編 成山堂書店 2017年
福岡北エリア東郷校教室長。福岡教育大学教育学部出身。勉強を楽しく!を目指しています。 楽しく勉強するためには、「できた!」の喜びが重要です。小さな「できた!」を積み重ねていくうちに、最初はとてもできないと思っていたことが達成できるようになります。昨日のできなかったを今日のできたに変える教育を目指して日々奮闘しています。
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