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「もっと成績を上げたい!」
中学生になると、多くの人が一度はそう考えるのではないでしょうか。
テストで良い点を取りたい、志望校に合格したい、苦手科目を克服したい。
そのために勉強時間を増やそうと頑張る人も多いと思います。
もちろん、成績を上げるためには勉強することが欠かせません。
しかし、ただ長時間机に向かえば成績が伸びるわけではありません。
同じように勉強していても、どんどん成績が伸びる人と、なかなか結果が出ない人がいます。
その違いはどこにあるのでしょうか。
実は、その答えの一つが「読書」にあります。
「読書で成績が上がるの?」
そう思う人もいるかもしれません。
確かに、本を読んだだけで数学の計算ができるようになったり、英単語を覚えられたりするわけではありません。
しかし、読書には勉強を支える大切な力を育てる効果があります。
今回は、読書と勉強の関係について考えてみたいと思います。
実際に、毎日個別塾5Daysの調査や教育現場での指導経験からも、読書習慣のある生徒ほど学習内容の理解がスムーズな傾向が見られます。
文部科学省の全国学力・学習状況調査では、読書習慣のある児童・生徒ほど学力テストの正答率が高い傾向が見られています。
また、家庭に本が多い子どもほど国語だけでなく算数や数学でも高い結果を示す傾向が報告されています。
もちろん、読書だけが学力を決めるわけではありません。
しかし、読書習慣が学ぶ力の土台づくりに役立っていることは、多くの調査からも示されているのです。
・毎日個別塾5-Daysに通う小学生・中学生が対象
・(株)育伸社「学力テスト(4月)」受験者 1015名が回答
(内訳)小学生:283名、(小2:6名、 小3:16名、 小4:42名、 小5:73名、 小6:146名)中学生:732名(中1:155名、 中2:241名、 中3:336名)
2026年3月15日〜2026年5月10日(4次成績処理分)
オフラインによるアンケート形式
今回、以下を成績帯として定義しています。
小学生 ・ 中学生((株)育伸社「学力テスト」の偏差値を対象※)
・成績帯1:60以上
・成績帯2:55-60未満
・成績帯3:50-55未満
・成績帯4:45-50未満
・成績帯5:40-45未満
・成績帯6:35-40未満
・成績帯7:35未満
アンケート結果は以下のグラフの通りでした。今回は中学生にフォーカスします。
質問:1週間で、本(マンガ以外)を読んだ時間は、合計でどれくらいですか?
選択:①0〜29分 ②30〜59分 ③1時間〜1時間29分 ④1時間30分〜1時間59分 ⑤2時間以上

●上位成績帯ほど活字に触れている傾向が顕著
●下位成績帯の「0分〜29分」の比率が高い
傾向が見られました。
また、「読書習慣」のある生徒ほど、学力テストの成績が高い傾向にあることが分かりました。
ただし、今回の調査は読書によって成績が上がるという因果関係を直接示すものではありません。
まず、読書の大きなメリットとして挙げられるのが読解力です。
読解力とは、文章を正しく読み取り、内容を理解する力のことです。
「読解力は国語だけに必要な力」と思われがちですが、実はそうではありません。
例えば数学の文章題。
計算方法は分かっているのに問題文の意味を勘違いして間違えてしまった経験はありませんか。
理科では実験の説明文を読み取る問題があります。
社会では資料やグラフを読みながら答える問題があります。
英語では長文読解が出題されます。
つまり、学校の勉強のほとんどは「文章を読むこと」から始まるのです。
本を読む習慣がある人は、文章の流れを理解することに慣れています。
そのため、問題文を正確に読み取りやすくなります。
問題の意味を正しく理解できれば、解答の精度も自然と高くなります。
読解力はすべての教科の土台になる力と言っても過言ではありません。
読書には語彙力を高める効果もあります。
語彙力とは、知っている言葉の数や意味を理解する力のことです。
学校の授業では、教科書や参考書の中にたくさんの言葉が出てきます。
語彙力が不足していると、文章を読んでも意味がよく分からなくなってしまいます。
一方、読書習慣のある人は自然と多くの言葉に触れることができます。
難しい言葉に出会ったときも、前後の文章から意味を推測する力が身についています。
また、国語の記述問題や作文でも語彙力は大きな武器になります。
自分の考えを伝えたいのに適切な言葉が見つからないという経験は誰にでもあります。
しかし語彙が豊富な人は、自分の考えをより分かりやすく表現できます。
さらに、語彙力は英語学習にも役立ちます。
例えば「環境」「経済」「文化」などの概念を日本語で理解していると、対応する英単語も覚えやすくなります。
読書は国語だけでなく、さまざまな教科の理解を支えてくれるのです。
最近はスマートフォンや動画配信サービス、ゲームなど、手軽に楽しめるものがたくさんあります。
便利で楽しい反面、短時間で次々と情報を受け取ることに慣れてしまい、
長時間集中することが苦手になる人も少なくありません。
そのような時代だからこそ、読書には大きな価値があります。
本を読むときは、一つの内容を理解するために文章を追い続けなければなりません。
最初は数分しか集中できなくても、読書を続けているうちに自然と集中できる時間が長くなります。
これはスポーツのトレーニングと似ています。
最初から長距離を走れないように、集中力も少しずつ鍛える必要があります。
集中力が高まれば、授業中の理解度も上がりますし、自宅学習の効率も良くなります。
同じ一時間勉強しても、集中している人とそうでない人では学習効果に大きな差が生まれるのです。
読書の魅力は知識を増やすだけではありません。
考える力を育ててくれることも大きな特徴です。
小説を読むと、登場人物の気持ちや行動の理由について考える場面がたくさんあります。
「なぜこの人はこうしたのだろう」
「自分だったらどうするだろう」
そんなことを考えながら読むことで、自然と思考力が鍛えられます。
歴史や科学の本でも同じです。
歴史上の出来事には必ず原因があります。科学の発見にも背景があります。
本を読みながら「なぜそうなったのか」を考える習慣は、学校の勉強にも大いに役立ちます。
最近の入試問題や定期テストでは、単なる暗記だけでは解けない問題が増えています。
知識を活用して考え、自分の言葉で説明する力が求められているのです。
読書で育った思考力は、そのような問題への対応力につながります。
ここまで読書のメリットを紹介してきましたが、誤解してほしくないことがあります。
それは、読書だけで成績が上がるわけではないということです。
数学の計算は問題を解かなければ身につきません。
英語は単語や文法を覚える必要があります。
理科や社会も知識を整理して覚える学習が欠かせません。
読書はあくまでも「学ぶ力の土台」を育てるものです。
家を建てるときに土台が必要なように、勉強にも土台が必要です。
読書はその土台づくりを助けてくれますが、実際に教科の知識を積み上げるためには日々の勉強が必要なのです。
どのように読書を生活に取り入れればよいのでしょうか。
おすすめは、毎日十五分から三十分程度の読書時間をつくることです。
長時間読む必要はありません。
大切なのは続けることです。
寝る前の十五分、学校から帰った後の二十分など、自分なりの時間を決めると習慣化しやすくなります。
読む本は何でも構いません。
小説でも、伝記でも、歴史の本でも、科学の本でも大丈夫です。
まずは自分が興味を持てる本を選びましょう。
面白いと思える本に出会えれば、読書は苦痛ではなく楽しみになります。
また、本を読み終えた後に「どんな内容だったか」「何が印象に残ったか」を少しだけ振り返るのもおすすめです。
一言メモを書く程度でも理解が深まり、記憶に残りやすくなります。
成績アップのためには勉強時間を確保することが大切です。
しかし、それと同じくらい大切なのが学ぶための土台を育てることです。
読書は読解力、語彙力、集中力、思考力を育ててくれます。
そして、それらの力はすべての教科の学習を支えてくれます。
もちろん、読書だけでは十分ではありません。教科ごとの勉強も必要です。
だからこそ大切なのは、読書と勉強を両立することです。
毎日の勉強に加えて、少しだけ読書の時間を取り入れてみてください。
最初は小さな変化しか感じられないかもしれません。
しかし、その積み重ねは確実に力になります。
今日の十五分の読書が、半年後、一年後の学力につながるかもしれません。
成績を上げたいと思っている人は、ぜひ読書を生活の一部にしてみてください。
読書と勉強の好循環が生まれたとき、あなたの学ぶ力はきっと大きく成長しているはずです。
大学時代は理科教育を学んだ。子どもたちの成長を身近に感じることのできる仕事をしたいと考え5-Daysに入社。一人ひとりに誠実に向き合いながら指導にあたる。学生時代からスポーツをしており、現在はマラソンに熱中。子どもたちの日々の努力が自身の励みになっています。