近年、日本の英語教育では「英語4技能」の育成が重要なテーマとなっています。
英語4技能とは、「聞く(Listening)」「話す(Speaking)」「読む(Reading)」「書く(Writing)」の4つの能力のことを言います。
文部科学省は従来の「知識重視」の英語教育から、実際に英語を使ったコミュニケーションができる「人材の育成」へと方向転換を進めています。
しかし、英語教育改革が進められているにも関わらず、日本人の英語運用能力は国際的に見ると依然として高いとは言えません…。
学校現場ではさまざまな課題が指摘されており、4技能をバランスよく育成することが難しい状況でもあります。
そこで、日本の英語教育における英語4技能の現状と課題を整理し、その解決策について書いていきますね。
これまでの日本の英語教育は、大学入試を中心とした「読む」「書く」に偏った学習が主流でした。英文法や語彙の知識を問う試験対策が中心となり、残念ながら英語を実際に使う機会は限られていました…。
しかし、グローバル化が進展する現代社会では、英語を用いて海外の人々と交流したり、情報を収集したりする能力が求められるようになっています。企業においても、海外との取引や外国人との協働が増加しているため、実践的な英語力が重要視されています。
このような社会的要請を受け、日本の教育政策では4技能を総合的に育成する方針が打ち出されました。小学校での英語教科化や高校での英語授業の英語化なども、その一環として実施されています。
最大の課題の1つは、学校教育と入試制度との間に存在する「ギャップ」です。
近年、大学入試では4技能評価の導入が検討されているものの、多くの試験では依然としてリーディング(読む)と文法問題が中心です。共通テストでは、リスニング(聞く)もありますので、学校でも多少なり勉強をすることはあるでしょう。
それでも、生徒や教師は受験対策を優先するので、特にスピーキング(話す)やライティング(書く)の指導に十分な時間を割くことは難しいと考えています。
例えば、定期試験や模擬試験で高得点を取るためには、文法知識や長文読解力が重視されています。その結果、「英語は話せないが試験では高得点を取れる」という状況が生まれやすくなっています。
4技能育成を掲げながらも、評価制度が追いついていないことが大きな課題である。
日本の学校では、スピーキング活動が十分に行われていない場合が多いです。
その理由として、
○授業時間の不足
○教師の指導負担
○生徒数の多さ
○発話機会の少なさ
などが挙げられます。
1クラス40人近い生徒がいる場合、一人ひとりが英語を話す時間は限られてしまいます。教師が全員の発音や表現を確認することも容易ではありませんね。
また、生徒側にも「間違えることへの不安」が存在します。日本では正確性を重視する文化が根強く、英語を話す際にも「間違えてはいけない」という意識が働きやすい印象があります。その結果、積極的に発言できない生徒が多くなってしまいます。
ライティング(書く)もまた十分に育成されているとは言い難いです。
従来の授業では、
○日本語訳を書く
○英作文の穴埋めをする
○文法問題を解く
といった活動が中心でした。
しかし、本来のライティング能力とは、自分の考えを論理的に英語で表現する能力のことを言います。
ところが、生徒一人ひとりの作文を添削するには膨大な時間が必要であり、教師の負担も大きくなります。そのため、十分なフィードバックが行われないケースも少なくありません。
結果として、生徒は「正しい英文を書く練習」はしていても、「自分の意見を発信する練習」が不足してしまっているのです。
英語教育改革を進める上で、教員の指導力も重要な要素であると考えます。
しかし現状では、
○英語運用能力
○授業設計力
○ICT活用能力
○パフォーマンス評価能力
などに個人差が存在しています。
特にスピーキング(話す)やライティング(書く)を評価するには、専門的な知識と経験が必要であると感じています。
また、中学校や高校の教員は部活動指導や事務作業なども担当しており、新しい指導法を学ぶ時間を確保することが難しいです。
その結果、学校や地域によって教育の質に差が生じる可能性があります。
日本では日常生活で英語を使う機会がかなり少ないです。
英語圏の国々では、学校外でも英語に触れる機会が豊富です。しかし日本では、
○テレビ
○インターネット
○友人関係
○地域社会
の多くが日本語での環境にあります。
そのため、学校で学んだ英語を実際に使う場面が少なく、学習内容が定着しにくい社会になっています。
よって、「試験のための英語」になりやすく、「コミュニケーションのための英語」へと発展しにくい点が大きな課題です。
まず重要なのは、4技能を適切に評価する入試制度の整備です。
大学入試において、
○スピーキングテスト
○ライティング評価
○プレゼンテーション
○面接試験
などを拡充することで、高校教育も自然と4技能重視へと変化していくでしょう。
評価方法が変われば、生徒の学習方法も変わります。知識暗記だけではなく、実際に英語を使う力が重視される環境づくりが必要となります。
近年のAI技術やICTの発展は、英語教育に大きな可能性をもたらしています。
例えば、
○AI英会話アプリ
○音声認識システム
○オンライン英会話
○自動添削ツール
などを活用すれば、生徒は授業外でも英語を練習できます。
特にスピーキング指導では、AIとの会話練習によって発話量を大幅に増やすことが可能です。
また、ライティング(書く)では自動添削システムを利用することで、教師の負担軽減にも繋がるでしょう。
4技能を伸ばすためには、生徒が主体的に英語を使う活動が必要となります。
例えば、
○ディスカッション
○ディベート
○プレゼンテーション
○グループワーク
○プロジェクト学習
などを授業に取り入れることが効果的です。
これらの活動を通して、「聞く」「話す」「読む」「書く」が自然に統合されると考えています。
単なる文法学習ではなく、実際のコミュニケーション場面に近い学習環境を作ることが重要となってきます。
教育改革を成功させるためには、教員の専門性向上が不可欠です。
そのため、
○英語運用能力研修
○授業改善研修
○ICT活用研修
○パフォーマンス評価研修
などを継続的に実施する必要があります。
また、優れた実践事例を共有する仕組みを整えることで、地域間・学校間の格差を少しでも縮小することができるでしょう。
学校外でも英語を活用する機会を増やすことが重要です。
例えば、
○海外交流プログラム
○オンライン国際交流
○留学生との交流
○英語キャンプ
○英語による探究活動
などが考えられます。
実際に英語を使う経験を積むことで、生徒は「英語は試験科目ではなくコミュニケーションツールである」という認識を持つようになります。
学習意欲の向上にも繋がるため、非常に有効な取り組みであると考えています。
今後の英語教育では、単に英語力を高めるだけでなく、「英語で何を伝えるか」という視点も重要になってきます。
AI翻訳技術が急速に進歩する現代では、単純な翻訳能力だけでは十分とは言えません。
むしろ、
○自分の考えを持つ力
○異文化理解力
○論理的思考力
○問題解決能力
などを英語を通じて育成することが求められています。
4技能はあくまで手段であり、その先にある「国際社会で主体的に行動できる力」の育成こそが本来の目的であると考えています。
日本の英語教育は現在、大きな転換期を迎えています。従来の「読む・書く」中心の教育から、「聞く・話す」を含めた4技能重視の教育へと変化しているが、その実現には多くの課題が残されています。
入試制度との整合性、スピーキング・ライティング指導の充実、教員研修の強化、ICT活用、そして英語を使う実践的な環境づくりが今後の重要なテーマとなるでしょう。
グローバル化が進む社会において、英語は単なる教科ではなく、人と人をつなぐコミュニケーションの手段であると考えています。4技能をバランスよく育成し、生徒が自信を持って世界と繋がれる教育を実現することが、日本の英語教育に求められています。英語を「学ぶ」から「使う」へと発想を転換し、実践的な英語力を育成することこそが、これからの教育改革の鍵になると信じています。
愛媛エリア松前校の教室長を務めている三浦です。 愛媛県松山市生まれ、松山市育ちの、生粋の伊予っ子です。 好きな食べものは、もちろん「みかん」!!明るく元気に働いています。 小学校のころから算数が好きで、答えまでどうやったら辿り着けるのだろう、と黙々と解いていた記憶があります。ゴールが見えてきたときの喜びは何物にも代えがたいですね^^ 勉強が嫌いな子も、好きな子も、「学ぶことの楽しさ」を知ってほしいな、と常に願っています。 今できることを、1つずつしっかりと取り組んでいきましょう!
体験終了後、面談をさせて頂き、お子様に合わせた今後の学習プランをご提案させていただきます。
定期試験対策・受験対策にも使えます!毎日の学習習慣の定着化、苦手克服などにぜひご活用ください。