「失敗したらどうしよう…」
「完璧にできなきゃ意味がない」
そんな気持ちに縛られて、新しいことに挑戦するのをためらう子どもたちが増えています。実はその背景には、親の完璧主義的な価値観が無意識に影響していることも。
もちろん、「ちゃんとしてほしい」「頑張ってほしい」という親の思いは自然なものです。しかし、その思いが強すぎると、子どもは**「間違ってはいけない」「失敗はダメなこと」**と感じてしまうのです。
この記事では、親の完璧主義が子どもに与える影響と、その手放し方、そして子どもがのびのび挑戦できる家庭づくりのヒントを紹介します。
完璧主義とは、「すべてをきちんとこなさなければならない」「失敗は許されない」という思考傾向のこと。
親が無意識にこの思考を持っていると、次のような行動として表れます。
・子どものミスにすぐ注意してしまう
・「もっとできるでしょ」と高い基準を求める
・細かい部分まで口を出す
・失敗や不完全な状態をすぐに直そうとする
これらは一見、子どもの成長を思っての行動に見えますが、子どもにとっては「否定された」「受け入れてもらえなかった」という印象になりがちです。
結果として、次のような心理が芽生えます。
・どうせ怒られるからやらない方がいい
・自分はうまくできない人間だ
・完璧じゃないとダメなんだ
このように、完璧主義の空気は子どもの挑戦意欲を奪い、自己肯定感を下げてしまう可能性があります。
子どもは親の言葉よりも、行動や態度を敏感に感じ取ります。
たとえば、親が次のような姿勢でいると、子どもも同じように感じやすくなります。
・家事や仕事で小さな失敗にイライラしている
・自分に対して「もっと頑張らなきゃ」と常にプレッシャーをかけている
・他人と比べて落ち込む
・完成度にこだわりすぎて、終わらせられない
逆に、親がこんな姿を見せられたらどうでしょう?
・うまくいかないときに「まあいっか」と笑って済ませる
・「ミスしちゃった。でも次がんばろう」と前向きな姿勢を持つ
・家族の前で自分の失敗談を明るく話す
こうした親の“ゆるさ”や“前向きさ”こそが、子どもにとっての安心感となり、**「挑戦してもいい」「失敗しても大丈夫」**という心の土台になります。
完璧主義を手放すためには、まず親自身が「失敗や不完全さを受け入れる」ことが大切です。以下に、実践しやすい工夫を紹介します。
「100点じゃないとダメ」と思いがちな場面こそ、「とりあえず70点でOK」と意識してみましょう。
家事、仕事、子育て、すべてに完璧を求めるのではなく、「できている部分に目を向ける」習慣を。
完璧な結果ではなく、**「やってみたこと」「挑戦したこと」**を認める言葉がけを増やしましょう。
例:「自分でやってみようと思ったのがすごいね」
例:「途中まででもよく頑張ったね」
夕食の時間などに「今日のうまくいかなかったこと」をあえて話す機会を作りましょう。
親が失敗を笑い話にできると、子どもも「失敗してもいいんだ」と思えるようになります。
「お兄ちゃんなんだから」「ちゃんとしなさい」など、役割や理想像を押しつけると、子どもは“いい子”を演じようとしてしまいます。
子どもが感情をそのまま出せる、安全な場所を家庭の中につくりましょう。
子どもを認めるためには、まず親自身が自分を認めることが大切です。
「今日は疲れてたのに、よくがんばったな」など、1日の終わりに自分をねぎらう時間を持ってみましょう。
完璧主義を手放すというのは、「いい加減になる」ということではありません。
むしろ、「人間は不完全で当たり前」「失敗してもまたやり直せる」という大切な人生観を、親の背中で伝えることなのです。
子どもが安心して挑戦できるのは、「うまくいかなくても、見守ってくれる人がいる」と感じられる環境があってこそ。
その土台をつくるのが、親の価値観と態度です。
今日から少しだけ、肩の力を抜いてみませんか?
親が変われば、子どもは自然と変わります。
毎日個別塾5-Days浜校・津島校教室長。 【好きこそものの上手なれ】 成長するためには「好き」という気持ちが必要不可欠です。 皆さんが「塾に行きたい!楽しい!好きだ!」と思えるような教室を目指しています。 この場が皆さんの将来の手助けになれる、気づきをあたえられる、そんな場になれるように様々な情報を発信していきます!