みなさんは「雪舟(せっしゅう)」という人物の名前を聞いたことがありますか?教科書に出てくる日本の偉人のひとりですが、彼の人生には、私たち中学生が学べるたくさんのヒントがあります。たとえば「好きなことを突き詰めることの大切さ」や「自分の才能を理解してくれる人との出会い」「一つの才能にとらわれない幅広い学び方」など、雪舟の生き方には現代にも通じる多くの人生訓があるのです。
雪舟は、室町時代の中ごろ、現在の岡山県で生まれました。小さいころから絵を描くことが大好きで、大人に怒られてもやめられないほど、毎日絵ばかり描いていたそうです。しかし当時の日本では、絵を描くことはあまり重要視されておらず、お坊さんとして仏教の勉強をすることが良いとされていました。雪舟も6歳ごろからお寺に入って修行を始めますが、絵への情熱は消えることがありませんでした。
そんな雪舟の少年時代に語り継がれている有名な話があります。修行中に絵ばかり描いていた雪舟は、ある日お寺の柱にしばりつけられてしまいました。でも、泣きながらも足の指を使って、こぼれた涙でねずみの絵を描いたというのです。その絵がまるで本物のねずみに見えたほど上手だったため、大人たちも彼の才能を認めたと言われています。この話がどこまで本当かは分かりませんが、「どんな状況でも好きなことをあきらめない」という雪舟の強い気持ちがよく伝わってきます。
雪舟の人生でもっとも大切だったのは、「自分の好きなことをとことん突き詰めた」ことです。みなさんの中にも、勉強や部活、趣味の中で「これが好き!」と思えることがあるかもしれません。でも、まわりの人に「そんなの将来役に立たないよ」と言われたり、思うように上達しなかったりして、途中であきらめてしまいたくなることもあるでしょう。そんなとき、雪舟の生き方を思い出してみてください。
お寺で修行する中でも、雪舟は絵の才能をあらわしていきます。特に「水墨画(すいぼくが)」という、墨だけで描く絵に夢中になります。白と黒だけで描かれる水墨画は、一見地味に見えるかもしれませんが、そこには自然の美しさや人の気持ちが細やかに表現されていて、奥が深い芸術です。雪舟はこの技法を独学で研究し、やがて周囲もその絵のすばらしさに気づくようになります。
この「好きなことに夢中になる力」は、現代でもとても大切です。スポーツ選手やミュージシャン、科学者など、今の時代に活躍する多くの人も、「好きだから続けてきた」というのがスタート地点でした。たとえ今は誰にも評価されなくても、自分だけは自分の気持ちを信じてあげること。それが夢への第一歩になるのです。
才能を持っているだけでは、それが世の中に知られることはありません。大切なのは、その才能を見つけ、支えてくれる人と出会えることです。雪舟にとって、その存在が「大内氏(おおうちし)」でした。大内氏は、現在の山口県あたりを治めていた大名で、学問や芸術に対する理解がとても深い人物でした。
大内氏は雪舟の才能を見抜き、特別に保護するようになります。そして、雪舟をなんと中国(当時の明)へ留学させるのです。当時の中国はアジアの中でも文化や技術がもっとも発達していた国であり、そこへ行くことは、今でいえばヨーロッパやアメリカに芸術留学するようなもの。しかも、海を越えて行くのはとても危険な旅でした。しかし、雪舟は自分の絵をさらに深めるために、その挑戦を選びます。
この中国留学によって、雪舟の作品は劇的に進化します。本場の水墨画の技術を学び、実際に中国の山々や人々の生活をスケッチする中で、彼はより深く、より自由な表現力を手に入れていきました。帰国後の作品には、「破墨山水図(はぼくさんすいず)」など、世界的にも評価の高いものがあります。そしてこの中国での経験が、雪舟の絵を「世界に通じる芸術」にまで高めるきっかけとなったのです。
雪舟の名前は、今や日本国内だけでなく、世界でも高く評価されています。とくに「破墨山水図」は、フランスのルーヴル美術館でも紹介されるほどの芸術作品として知られています。また、ユネスコの「世界記憶遺産」に関連した企画展などで取り上げられることもあり、彼の作品は「東洋のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも呼ばれることがあります。それほど、雪舟は「一人の画家」という枠を超えた人物だったのです。
実際、雪舟は絵だけではなく、建築・庭園・書道・詩・禅といった多くの分野でも才能を発揮しました。京都や山口に残る庭園には、彼の設計の手が加えられたものがあるとされ、まるで一枚の絵のように風景を配置するセンスが評価されています。文字を書く「書」の分野でも、味わい深い筆づかいが評価されており、詩を通して哲学的な世界観も表現していました。つまり、彼はまさに「マルチアーティスト」だったのです。
このように、ひとつのことを極めながら、それに関連する分野へと自然に興味を広げていく姿勢は、今の時代にも必要とされています。将来、AIやロボットが多くの仕事をするようになったとき、「人にしかできないこと」は、たくさんの分野を結びつける力です。雪舟のように「好奇心」を持って幅広く学ぶことが、これからの世界で生きる力になるのです。
雪舟のように、好きなことに熱中する中で、壁にぶつかることもあるでしょう。自分の才能を信じきれなくなる日もあるかもしれません。でも、大切なのは「信じることをやめない」ことです。雪舟も最初から認められていたわけではありません。柱にしばられ、涙を流しながら絵を描いていた彼が、やがて日本を代表する芸術家となり、世界にもその名を知られる存在になるとは、誰が想像できたでしょうか。
現代の中学生のみなさんも、これから進路や将来の夢に悩むことがあるかもしれません。そんなとき、雪舟のように「自分の道を信じて突き進む」ことを思い出してください。たとえ今すぐに成果が出なくても、やりたいことに向き合い続ければ、それはいつか確実に力になります。そして、その道を応援してくれる人が現れたときには、感謝の気持ちを忘れず、共に歩んでいくことが大切です。
また、夢や才能はひとつにしぼる必要はありません。雪舟のように、好きなことを中心にしながら、周辺の分野にも目を向けてみましょう。そうすることで、思いがけない才能が見つかるかもしれません。そしてその広がりが、やがて世界へとつながるのです。
雪舟の人生は、「芸術」という言葉だけでは語りきれない、深い学びと生き方に満ちています。彼から私たちが学べることはたくさんあります。第一に、自分が好きなことをあきらめず、どんな状況でも続けること。第二に、自分の才能を認めてくれる人との出会いを大切にし、支えてもらうこと。そして第三に、一つのことにこだわらず、好奇心をもって学びの世界を広げていくことです。
雪舟は、絵を愛し、学びを深め、人とのつながりを大切にしながら、自分だけの道を歩みました。彼の絵は日本を代表する文化財として、そして世界の芸術史の中でも重要な位置を占めています。そうした偉業は、すべて「少年のころの一滴の涙」から始まったのです。
みなさんの中にも、雪舟のように大きな夢を持っている人がいるかもしれません。まだ見つかっていないという人も、あせることはありません。大切なのは、小さな「好き」を見つけ、それを大事に育てていくこと。いつかその「好き」が、自分の未来をひらく扉になるかもしれません。さあ、雪舟のように、自分だけの一筆を、今この瞬間から描き始めましょう。
毎日個別塾5-Daysでは、
無料体験や学習相談も随時受付中です。
「ちょっと話を聞いてみたい」という方も、お気軽にご相談ください!
一緒に一歩ずつ前進していきましょう!
こんにちは!5-Days 野芥教室の教室長、波多江です。このページをご覧いただき、ありがとうございます! これまで多くの生徒さんと関わる中で感じているのは、「勉強がちょっと苦手かも…」という子ほど、ふとした瞬間にぐんと伸びる力を持っているということです。だからこそ、まずは「できた!」という小さな成功体験を積み重ねること、そしてそれを毎日しっかり承認することがとても大切だと考えています。当教室では、ただ知識を教えるだけでなく、「自分で勉強する力」を育てることを大切にしています。学校のテスト対策はもちろん、将来にもつながる“本物の学力”を、私たちと一緒に身につけていきましょう!皆さんにとって安心して通える教室、そして前向きな気持ちになれる場所を目指して、スタッフ一同、日々取り組んでいます。 まずは体験授業や教室見学だけでも大歓迎です!お会いできるのを楽しみにしています!