「ありがとう」。たった五文字のこの言葉が、子どもの成績に関係しているとしたら、少し意外に感じる方も多いのではないでしょうか。
株式会社5コーポレーションが2025年9月に実施した「成績帯別生活習慣調査」では、全国の小中高生3,584名を対象に、日々の生活習慣と成績との関係を分析しています。その中の質問17「1週間の中で『言葉として』誰かにありがとうを伝えた回数」に注目してみると、興味深い傾向が浮かび上がりました。
結果は、「感謝を言葉にできる子どもほど成績が良い傾向がある」というもの。つまり、「ありがとう」と口にする頻度が多い子どもほど、上位の成績帯に位置しているのです。
一見、学力とは無関係に思える「感謝の言葉」が、なぜ成績に影響するのでしょうか。
まず考えられるのは、「ありがとう」を言うことで人間関係が良好になり、周囲からのサポートや信頼を得やすくなるという点です。
学校や家庭で「ありがとう」と自然に言える子どもは、相手の気持ちを理解し、思いやりを持って行動できる傾向があります。その結果、友達や先生との関係がスムーズになり、学習の場面でも安心して質問や相談ができるようになります。実際、この調査でも「授業中に先生に質問する回数が多い子ほど成績が良い」という結果が出ており、感謝や挨拶などの“人とのつながり”が学習意欲に結びついていることがうかがえます。
感謝の気持ちは誰もが持っていても、それを言葉にするのは意外と難しいものです。ところが、「ありがとう」を習慣的に口にしている子どもは、感情の表現が豊かで、自己肯定感が高い傾向があります。
「ありがとう」と言う瞬間、人は自分の中の「満たされている感覚」を再確認します。これは脳科学的にもポジティブな影響があるとされており、幸福感や集中力の向上につながると言われています。
学力の高い子どもほど、自分の行動を振り返り、周囲への感謝を意識的に感じ取る力があるのかもしれません。
勉強においても、「やらされている」より「支えられている」と感じることが、学習意欲を左右します。
「塾の先生が丁寧に教えてくれた」「お母さんが夜食を作ってくれた」「友達が問題を教えてくれた」——そんな日常の中の小さな感謝を言葉にすることで、子どもは学びを“自分ごと”として捉えられるようになります。
結果的に、「もっと頑張ろう」という前向きな姿勢が生まれ、成績向上に結びつくと考えられます。
では、子どもの「ありがとう力」を育てるにはどうすればよいのでしょうか。
ポイントは、家庭の中で大人がそのお手本を見せることです。
食事の際に「作ってくれてありがとう」、宿題を終えた子どもに「頑張ったね、ありがとう」と声をかける。そんな小さな積み重ねが、感謝を自然に口にする空気をつくります。
「ありがとう」を強要するのではなく、「言いたくなる雰囲気」をつくることが大切です。
今回の調査で見えたのは、成績上位の子どもたちが単に勉強時間が長いだけではなく、生活の中にポジティブな習慣を持っているということです。
「ありがとう」という言葉は、勉強そのもののスキルではありませんが、心の姿勢を整え、学びに向かうエネルギーを生み出します。
感謝できる子は、人とのつながりを大切にし、自分を支える環境に気づくことができます。
その気づきこそが、真の学力を支える原動力なのかもしれません。
「ありがとう」をたくさん言える1週間は、きっと心も頭も豊かにしてくれる1週間です。
成績を上げたいときこそ、まずは家庭や学校で「ありがとう」を交わす習慣から始めてみてはいかがでしょうか。
5-Days緑井教室の教室長をしています。 どんな子どもたちでも来て楽しくなるような教室を作ることをモットーに運営しています。 授業中はしっかり集中して勉強に臨むことができ、休憩時間はリラックスして楽しめる、そんな雰囲気でみんな勉強を頑張っています。 定期テストの点数が伸びない、勉強の習慣がつかないといったお悩みがあればいつでもご相談ください!