目次
多くのお子様が、「頑張っているのに成績が伸びない」という壁にぶつかっています。 保護者の皆様も、「塾に行かせている」「勉強時間も確保している」にもかかわらず結果が出ないと、その原因を探し続ける日々ではないでしょうか。
私たちはこれまで、成績を左右するのは「勉強のやり方」や「学習時間」だと考えがちでした。もちろんそれは重要ですが、近年の大規模な調査では、学力の土台を揺るがしている真の要因は、「日常的なアウトプットの習慣」にあることが明らかになっています。目先の勉強量だけを追求するのではなく、思考を言葉にする習慣という生活全体の質を考える時代が来ているのです。
学力調査の結果を分析した複数の調査から、学習効果を最大化する「思考の土台」の存在が確認されています。これは特定の調査に限らず、様々な角度から裏付けられています。
例えば、多くの調査で、「家族との会話が豊かな子どもは、自分の考えを整理し、表現する力が優れている」という相関が確認されています。学習塾や学校でのデータにおいても、持ち物が整理されていることや、リビング学習をしている子どもが成績が良い傾向が見られますが、これは親子のコミュニケーションが常に身近にあることが、子どもの安心感や論理的な思考を育んでいるためです。
特に現在の教育現場で問題視されている「文章を読み取る力」や「自分の考えを説明する力」の低下は、まさに、机の上ではない「日常の対話機会の不足」が引き起こす「静かな危機」と言えるでしょう。言葉にして考える機会が少ないと、思考の筋肉が鍛えられず、結果として学力にも影響を及ぼしてしまうのです。
子どもの成績アップのために「思考を言語化する力」が大切だと頭では理解していても、それを毎日完璧に実践するのは困難です。
「もっと話したら?」「自分の意見をしっかり言いなさい」 こうした注意は、多くの場合、子どもにプレッシャーを与えるだけで、一時的なものに終わりがちです。なぜなら、親も子も日々の忙しさの中で、「何を、どれくらい、どのように変えれば成績に繋がるのか」という具体的な目標が見えていないからです。
この「わかっているけれど行動できない」という壁を乗り越えるためには、現状を客観的なデータとして把握し、日常の対話機会を具体的に増やすポイントを明確にすることが不可欠です。私たちは、この具体的な「変化のきっかけ」を提供するための独自の調査を実施しました。
私たち5-Daysでは、通塾している生徒を対象に、「生活習慣と成績の関係」についてアンケートを実施しました。
対象:毎日個別塾5-Days・他個別指導塾に通う小・中・高校生
方法:紙アンケート(オフライン)
時期:2025年9月24日~9月30日
有効回答数:3,584名(小学生874名/中学生2,281名/高校生429名)
その結果、これまでの生活習慣の項目に加え、特に興味深い「休み時間の過ごし方」に関するはっきりとした傾向が見えました。

グラフが示す通り、「上位成績帯ほど友達との会話の時間が多い傾向」が明確に確認されました。
特に、小学生の成績帯1(最上位)のグループは、会話時間が「2時間以上」の割合が最も高く、。一方で、成績帯5(最下位)のグループは、会話時間が「0分~10分」の割合が高く、会話時間が短い傾向にあることがわかります。
このデータは、「日常的なコミュニケーションの量と質」が、集中力や学力に深く関係していることを示唆しています。
論理的な考察一見、休み時間に遊んで話している生徒が勉強に集中しているとは考えにくいかもしれません。しかし、この「休み時間の会話」と成績の正の相関には、論理的な理由がいくつも存在します。会話は、単なる「おしゃべり」ではなく、高度な思考のアウトプットだからです。
人間は、言語によって思考を組み立てています。友達に何かを説明したり、共通の話題で意見を交換したりする行為は、頭の中で知識や情報を整理し、それを論理的な言葉の形に変換するトレーニングです。この「情報処理能力」は、数学の問題を解く手順を考えたり、国語の文章の要点を読み取ったりする際に使うワーキングメモリ(作業記憶)の機能そのものです。日常的に会話で脳を使っている生徒は、学習時にもスムーズに頭が働きやすいと考えられます。
学校の授業や宿題の内容について、友達と休み時間に「これどうだった?」と確認し合うことは、無意識のうちに情報共有と相互理解のプロセスを行っています。特に集団生活において、自分の理解が正しいかを確認したり、相手の新しい解釈を聞いたりする機会が多い生徒は、多角的な視点を持つことができ、これが深い学びにつながります。小学生の上位層で会話時間が長いのは、グループ学習や教え合いを休み時間にも自然に取り入れていることの表れかもしれません。
友達との会話は、心のエネルギーチャージの役割を果たします。「できたね」「頑張ってるね」と声をかけられる承認は、子どもたちの自己肯定感を高め、前向きに学びへ取り組む意欲を育てます。また、適度な雑談は、気分転換となり、その後の授業への集中力を持続させる効果もあります。会話をしない時間が長い生徒に、成績が伸び悩む傾向が多いのは、孤立感や不安感から心理的なエネルギーが不足している可能性も示しています。
いくら効率の良い勉強法を教えても、夜更かし続きで眠いまま授業を受けていたら、頭は働きません。朝食を抜けば、1時間目からエネルギー不足です。そして、周囲とのコミュニケーションが不足していれば、思考の土台が不安定になってしまいます。
だからこそ、私たちは考え方を変えました。「学習習慣」だけでなく、「生活習慣」と「対人習慣」との関係を見て、どちらも整える新しい指導が求められます。そしてこれが、これからの教育に必要な視点になっていくのです。
もし、お子さんが「休み時間にあまり友達と話していない」という傾向にあっても、悲観することはありません。会話は、努力次第で習慣化できるスキルです。特に小学生の下位層で顕著な「会話時間の不足」を解消するため、少しずつ、会話を始めるための小さなステップを踏んでみましょう。
友達に「おはよう」や「ありがとう」といった、短く簡単な挨拶や声かけを意識して行うことから始めましょう。会話のウォーミングアップです。
無理に話題を振る必要はありません。友達が話している時に、「ふうん」「それで?」など、相槌を打って興味を示す練習をしてみましょう。これは、相手の話を理解し、整理する練習にもなります。
誰もが興味を持つ共通の話題(例:次の給食のメニュー、週末のテレビ番組、流行のゲーム)について、自分から一言だけ感想を話してみる。「話しかけやすい人」になるための第一歩です。
相手に答えやすい簡単な質問(例:「これ、どこまでやった?」「この問題わかった?」)をすることで、自然な会話のきっかけを作ることができます。これは、学習内容の確認とアウトプットの機会にもなります。
また、学校の休み時間でいきなり友達と積極的に話すのが難しいと感じる人もいるでしょう。そんな時、5-Daysのような個別指導塾は、安全で話しやすい会話の練習の場になるかもしれません。私たち5-Daysの講師は、生徒一人ひとりと向き合う時間を大切にしており、授業の合間や休憩時間にも積極的に声をかけ、生徒の興味や日々の出来事について会話をします。ここでは、評価を気にせず、大人と1対1で自分の考えを言葉にするトレーニングができます。これが、学校での対人コミュニケーションへの自信にもつながる可能性があります。
子どもの成績を上げたいと思ったとき、多くの人が当たり前のように「勉強時間を増やす」ことを考えます。しかし、生活の多様化により、子どもたちの習慣が複雑になってきた今、勉強時間だけでは解決できない状況になってきました。
思考を言語化し、日常の会話で脳が鍛えられれば、集中力が上がり、やる気も続く。つまり、勉強の成果を出す“燃料”は、日常生活とコミュニケーションの中にあるのです。
会話の習慣、休み時間の過ごし方を見直してみませんか? できることから少しずつでいいんです。小さな対話の習慣が、必ず子どもの未来の思考力と学力を大きく変える一歩につながります。
瀬谷校教室長。これまで多くの生徒さんと向き合いながら、「分かりやすい説明」をモットーに授業を行ってまいりました。専門的な内容も図や具体例を交えて噛み砕き、理解を促進する工夫を常に心がけています。勉強に対して「難しそう」「敷居が高い」と感じる気持ちにも寄り添い、少しでもハードルを下げられるよう、日々指導方法のブラッシュアップに努めています。学習の楽しさや達成感を一人でも多くの生徒さんに実感していただけるよう、全力でサポートいたします。