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2026年は干支でいうと「丙午(ひのえうま)」、十二支では「午(うま)」の年にあたります。午年と聞くと、勢いよく駆ける馬の姿から、活発さや前進力を連想する人も多いでしょう。一方で「ひのえうま」という言葉には、歴史的な言い伝えから少し身構えてしまう印象を持つ人もいるかもしれません。しかし、干支は本来、吉凶を単純に決めつけるためのものではありません。自然の移ろいや時間の循環を捉えるために生まれた、非常に体系的な暦の知恵なのです。今年の干支に目を向けることは、占い的な興味を超えて、古代の人々がどのように世界を理解しようとしたのかを知る入り口にもなります。
今年の干支である丙午は、十干の「丙」と十二支の「午」が組み合わさったものです。丙は「陽の火」を意味し、太陽や炎のように明るく外へ広がる性質を持つとされます。一方、午は行動力やスピード、躍動感の象徴です。この二つが重なる丙午の年は、物事が表面化しやすく、社会や個人の動きが加速しやすい年回りと解釈されてきました。歴史的には迷信的なイメージが強調された時代もありましたが、本来はエネルギーの強さをどう生かすかが問われる年とも言えます。勢いに流されるのではなく、意志を持って使うことで、前向きな変化につなげられる年と捉えることもできるでしょう。
十二支は、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の十二から成り、現在では年を表すものとして親しまれていますが、もともとは月や日、時刻、方角を示すための記号として使われていました。動物の名前が当てられているため分かりやすい一方で、その起源は中国古代の天文学や暦法にあり、自然界のリズムを整理するための抽象的な体系だったとされています。午は十二支の中でも陽の気が最高潮に達する位置にあり、夏至前後のエネルギーを象徴します。そのため、物事が明確になり、動きが活発になるタイミングを示す存在と考えられてきました。
十二支と並んで干支を構成するのが十干(じっかん)です。甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十からなり、木・火・土・金・水の五行と、それぞれの陰陽を組み合わせた概念です。今年の「丙」は火の性質を持ち、特に陽の火として、情熱や創造性、外向きのエネルギーを象徴します。十二支が時間や空間の「枠組み」を表すのに対し、十干はその中でどのような力が働くかという「質」や「方向性」を示します。丙午の年は、内に秘めたものが表に出やすく、変化が可視化されやすい年といえるでしょう。
十二支と十干を組み合わせることで生まれるのが六十干支です。その数は全部で六十通りあり、人生の節目である還暦が六十歳で祝われるのも、この一巡に由来します。今年の丙午も、その六十の中の一つにすぎません。干支は未来を断定するためのものではなく、自分や社会の流れを大きな循環の中で捉え直すための「座標軸」のような存在です。今年の干支が持つ意味を手がかりに、今どこに立ち、どの方向へ進もうとしているのかを考えてみる――そんな向き合い方が、干支文化を現代に生かすヒントになるのではないでしょうか。
少し早いですが2027年の干支は「丁未(ひのとひつじ)」。情熱的だった丙午の翌年らしく、エネルギーの質が少し落ち着き、「整える」「育てる」方向へと流れが変わっていく一年です。十干の「丁」は、丙の火が外へ燃え広がるのに対し、内側で静かに灯る火を意味します。ろうそくやランプの火のように、周囲を温め、持続させる力が特徴です。一方、十二支の未は協調性や思いやり、土台作りを象徴する干支。丁未の年は、大きな変化を起こすよりも、これまでに始めたことを見直し、形にしていくのに向いた運気といえるでしょう。人間関係や生活リズムを整えることで、次の飛躍につながる準備が自然と進んでいく――そんな穏やかで実りの多い一年になりそうです。
2026年の丙午は、火のエネルギーと馬の行動力が重なり、良くも悪くも動きが大きくなりやすい一年です。十二支が示す時間の流れと、十干が表す目に見えない性質を重ねて見ることで、「なぜ今こんな変化が起きているのか」「どう向き合えばいいのか」が少しずつ見えてきます。干支は未来を決めつけるものではなく、自分の立ち位置を知るためのヒント。今年は勢いに振り回されるのではなく、自分の意思で火を灯し、進む方向を選ぶことが開運の鍵になりそうです。丙午という年の個性を理解し、前向きに使いこなしていきましょう。
山口大学経済学部観光政策学科卒業。2024年の10月に漢検準1級に合格し、現在1級を勉強中。ちなみに私は「丁丑(ひのとうし)」生まれで、「冬の終わりの灯火」や「雪灯籠の灯り」のような、控えめながらも温かく情熱を秘めたイメージを持ち、穏やかで思慮深く、粘り強い性格を表す年でした。サードプレイス(第三の憩いの場)的な塾を目指し、そこを居心地の良い場所、行きたいと思える場所になるように日々頑張って行きます。