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皆さんは、夏になると「じめじめするな」、冬になると「空気が乾燥するな」と感じますよね。この体感は、理科で学習する「湿度」の変化によって引き起こされています。
湿度、つまり空気の湿り具合は、私たちの快適さだけでなく、健康や電気代にも深く関わっています。
本記事では、中学理科で習う湿度の基本的な計算方法を学びながら、なぜ日本は夏と冬で湿度が大きく変わるのか、そしてその変化が私たちの生活にどのような影響を与えているのかを、具体例を交えて徹底解説します!
空気中の湿度は、空気中に含まれる水蒸気の量によって決まります。しかし、単に水蒸気が多ければ湿度が高い、というわけではありません。空気は、気温が高くなればなるほど、より多くの水蒸気を含むことができるという性質を持っています。
この「空気中に最大限に含むことができる水蒸気の量」を飽和水蒸気量と呼びます。
湿度は、現在の水蒸気量が、その気温で最大限に含むことができる量(飽和水蒸気量)に対して、どれくらいの割合であるかを示すものです。
これを求める計算式がこちらです。
湿度(%) = 現在の空気 1㎥ に含まれる水蒸気量(g)÷その気温での飽和水蒸気量(g/㎥) × 100
この式からわかる通り、湿度は気温が大きな鍵を握っていることがわかります。
季節による湿度の大きな違いは、この飽和水蒸気量が気温の上下によって大きく変化することに起因しています。
冬は気温が非常に低くなります。
気温が低い →飽和水蒸気量が少ない
たとえ空気中の絶対的な水蒸気量が少なくなくても、暖房などで部屋の温度が上昇すると、飽和水蒸気量は急激に増えます。
この結果、実際の水蒸気量(分子)は変わらなくても、器(分母:飽和水蒸気量)が大きくなるため、湿度の値(%)は低くなります。
これが、冬に暖房をつけた室内で空気が「乾燥している」と感じる主な理由です。
夏は気温が非常に高くなります。
気温が高い → 飽和水蒸気量が非常に多い
同時に、日本では南からの湿った風や梅雨の影響で、空気中の実際の水蒸気量も多くなります。
この結果、飽和水蒸気量自体は多いものの、実際の水蒸気量も限界近くまで含まれているため、湿度の値が高くなり、「ジメジメした」不快感につながります。
つまり、冬と夏で空気が乾燥したり、湿ったりする違いは、気温の上昇によって空気の「水蒸気を受け入れる器」の大きさが変わってしまうことによって引き起こされているのです。
それでは、湿度の求め方の式を使って、身近な例題にチャレンジしてみましょう。
★問題
気温が 20℃ の部屋で、空気 1 ㎥ あたり 10.0 g の水蒸気が含まれていました。この部屋の湿度は何%になるでしょうか?
ただし、20℃ の飽和水蒸気量は 17.3 g/㎥とします。
★解答と解説
① 式に当てはめる
湿度(%) = 現在の水蒸気量÷飽和水蒸気量 × 100
② 数値を代入する
湿度}(%) = 10.0 g÷17.3 g/㎥ ×100
③ 計算する
答え: この部屋の湿度は、約 57.8% です。
解説:この問題では、現在の 20℃ の空気は、水蒸気を約 57.8% まで含んでいることがわかりました。仮にこの部屋の気温が 10℃(飽和水蒸気量 9.4 g/㎥)に下がった場合、現在の水蒸気量 10.0 g は飽和水蒸気量を超えてしまうため、水滴(結露)が発生することになります。
夏と冬の大きな湿度差は、私たちの暮らしのあらゆる側面に影響を与えています。

特に、冬の乾燥は、ウイルスが空気中に長く浮遊することを助長し、感染症のリスクを高めます。また、乾燥した空気中で摩擦が起きると静電気が発生しやすくなるのも、低湿度が原因です。
一方、夏の高湿度は、カビやダニが最も好む環境を作り出します。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるため、体感温度が上がり、熱中症のリスクも高まります。
湿度は単なる気象データではなく、気温という要素と密接に結びつき、私たちの健康や快適さに直結しています。
湿度= 水蒸気量÷飽和水蒸気量 × 100
この式を理解すれば、なぜ冬に加湿が必要なのか、なぜ夏に除湿が必要なのか、理科的な視点から納得できるはずです。
理科の知識を日常生活に活かし、一年を通して快適で健康的な生活を送りましょう。
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福岡北エリア東郷校教室長。福岡教育大学教育学部出身。勉強を楽しく!を目指しています。 楽しく勉強するためには、「できた!」の喜びが重要です。小さな「できた!」を積み重ねていくうちに、最初はとてもできないと思っていたことが達成できるようになります。昨日のできなかったを今日のできたに変える教育を目指して日々奮闘しています。