「うちの子、勉強はしているけど本は全然読まないんです」
保護者の方から、そんな声をよく聞きます。
読書と勉強は一見別の活動に見えますが、実は深くつながっています。
本を読むことは、単に国語力を高めるだけではありません。
読む力、考える力、そして学ぶ意欲──どれも読書を通して育まれる“学力の土台”です。
今回は、読書が勉強に与える3つの良い影響と、保護者にできるサポート方法をご紹介します。
勉強の得意・不得意を分けるのは、実は「読む力」が大きな要因です。
どの教科にも“文章を読み取る力”が必要だからです。
たとえば理科の実験問題や社会の資料問題、数学の文章題。
問題文の意味を正確に理解できないと、解き方以前に「何を問われているか」が分からないことがあります。
日ごろから本を読んでいる子は、自然と語彙力や理解力が身についており、
教科書や問題文をスムーズに読み取れる傾向があります。
これが、いわば「勉強の基礎体力」です。
本を読むことで、知らない言葉に出会い、それを文脈で理解する力が育ちます。
これはテスト対策だけでなく、将来の学びにも大きな差を生む力です。
読書は、「答えがひとつではない世界」に触れる体験です。
登場人物の気持ちを想像したり、出来事の背景を考えたりする中で、
子どもは「なぜそう思ったのか」「他の考え方もあるのでは?」と考えるようになります。
この「考える力」は、国語の記述問題や社会の論述問題だけでなく、
数学の応用問題や理科の実験考察にも生かされます。
つまり、読書は単なる「文字を読む練習」ではなく、
「思考の柔軟さ」を育てる訓練でもあるのです。
また、読書には自分の興味や価値観を広げる効果もあります。
たとえば歴史小説を読んで社会に興味を持ったり、科学読み物から理科への関心が高まったりと、幅広い視野を持つこともできます。
読書は、学ぶモチベーションの原点とも言えます。
読書の最大の魅力は、「知る楽しさ」を味わえることです。
教科書では知識を「覚える」ことが中心ですが、
本では「知って広がる」「理解して面白い」と感じる体験ができます。
たとえば歴史の本を読んで「この人物がいたから今の日本があるんだ」と感じたり、
科学の本を読んで「こんな仕組みで地球が動いているんだ」と驚いたり。
そうした“知ることの楽しさ”が、勉強の意欲につながるのです。
「勉強=やらされること」ではなく、
「知るって楽しい」と感じられるようになると、自然と学ぶ姿勢が変わります。
読書はその第一歩をつくる、大切な入り口です。
「うちの子、本を読まないんです」と悩む保護者は多いですが、
大切なのは“読ませる”ことよりも、“読書に近づける環境”を作ることです。
たとえば次のような工夫があります。
• 親が読んでいる姿を見せる
親が本を読んでいると、子どもも自然と興味を持ちやすくなります。
• 読書の話題を日常に取り入れる
「その本、どんな話?」「面白かったところどこ?」など、
内容を共有すると読書が“会話の一部”になります。
• 形にこだわらない
小説だけでなく、図鑑・エッセイ・漫画・電子書籍なども立派な読書体験です。
“読むこと自体”を楽しいと感じられれば十分です。
無理に読ませるよりも、「読書=楽しいこと」という印象を家庭で作ることが、長続きのコツです。
読書は「勉強の前段階」ではありません。
むしろ、勉強を深め、考える力を育てる「学びの根っこ」です。
読書で得た言葉の力や思考の柔軟さは、テストの点数以上に長く残ります。
そして何より、「知ることが面白い」と思える心を育てます。
保護者ができるのは、「読むことへのきっかけ」を用意すること。
お子さんが本を通して世界を広げ、学ぶことを前向きに楽しめるよう、
日常の中で少しずつ「読書の種まき」をしていきましょう。
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ミツカル教育通信からインタビューを受けました!
インタビュー記事は、以下のURLから確認いただけます。
https://resemom.jp/kyoiku/interview/5-days-interview/
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広島大学文学部で西洋史を専攻。勉強や部活といった生徒の悩みに向き合い、授業のあと長い時間話し込むことも。 無類の読書好きが祟り、土日の大半と休憩時間が読書に消えるのが最近の悩み。