日本の冬は「寒い」「乾燥する」「体調を崩しやすい」といった印象がありますが、これらはすべて科学的な理由によって説明できます。気温の低下や湿度の変化、大気の動きといった季節特有の環境変化が、私たちの体や生活にさまざまな影響を与えているのです。本稿では、日本の冬を形づくる自然現象を科学的な視点から整理し、なぜ冬になると体調管理や感染症対策が重要になるのかを分かりやすく解説します。
日本には「北風」や「木枯らし」など様々な季節の風物詩(代名詞)が存在します。しかしそんな冬の代名詞を科学的に表すと、
ズバリ
「乾燥した寒気と放射冷却がつくり出す、日本特有の厳しい冬」となります。
では日本の冬が何故そんなに乾燥しているのか、またそのおかげでどうしてこんなにも寒い時期が年をまたいで2月になっても続くのでしょうか。
●西高東低の冬型気圧配置
冬の日本周辺は「シベリア高気圧(大陸の高気圧)」が強まり、
冷たく乾いた空気が日本海側へ向かって流れ込む。
大陸の空気はもともと非常に乾燥している
気温が低いほど空気に含める水分量は減る → さらに乾燥する
→ 日本列島は “低温 × 低湿度” の環境になりやすい
●乾燥は体感温度を下げる
湿度が低いと皮膚の水分が奪われやすく、
体温が奪われるスピードが速くなるため、より寒く感じる。
●地面から熱が宇宙へ逃げる現象
晴れた冬の夜は雲が少ないため、
地表の熱がそのまま宇宙へ放射される。
→ これが 「放射冷却」
冬は湿度が低く、雲も少ない日が多いため、
この放射冷却が 特に強く働く季節。
●結果として
夜~朝方に気温が急低下
霜・氷ができやすい
体感温度はさらに低くなる
大陸からの 冷たく乾燥した寒気
晴れやすく湿度が低い日本の冬 → 放射冷却が強まりやすい
この組み合わせにより、
「乾燥」+「低温」+「夜間の急冷え込み」
という、冬特有の厳しい環境が生じる。
これらが理由となり、いわゆる「日本の冬はカラカラしていてとても寒い」といわれるわけですね。
では私のブログで出た「ウイルス」との兼ね合いはどうなっているのでしょうか。そちらを具体的に述べ、なぜ「冬に感染症対策が大事になっていくのか」もお教えしていこうと思います。
多くのウイルス(特にインフルエンザや風邪ウイルス)は、
湿度が40%を下回る環境で生存時間が長くなることが知られています。
空気が乾燥 → ウイルスが水分を失いにくい
乾燥した空気中で、ウイルス粒子が壊れにくくなる
→ 結果として 空気中にウイルスが漂う時間が長くなる
私たちの鼻やのどには、侵入したウイルスを外へ出すための
「粘液」や「せん毛運動」という防御システムがあります。
しかし…
乾燥 → 粘膜の水分が奪われる
粘膜が荒れる・ひび割れる
せん毛の動きが鈍る
こうして ウイルスが体内に入りやすい状態 が生まれる。
乾燥した環境では、咳や会話で飛ぶ飛沫の水分がすぐに蒸発し、
より小さな“エアロゾル”になりやすい。
小さい粒子 → すぐに落下せず、空中に長時間漂う
空気を吸うだけで感染リスクが高まる
となるわけです。これらのメカニズムを知った上で皆さんもこの冬を元気に過ごせるように、どうか健康に気をつけてくださいね。
結論をまとめると、
日本の冬は、大陸から流れ込む乾燥した寒気と、晴れやすい冬の気象条件によって強まる放射冷却が重なることで、低温で湿度の低い環境が長く続く季節です。こうした“寒さ × 乾燥”の組み合わせは、ウイルスが空気中で生き残りやすくなる一方、私たちの鼻やのどの粘膜の防御力を弱め、飛沫が微粒子化して空気中に留まりやすい状況を生み出します。つまり、日本の冬はウイルスにとって活動しやすく、私たちには感染しやすい条件がそろっているのです。
だからこそ、手洗い・マスク・加湿・換気といった基本的な感染症対策には明確な科学的意味があります。これらは、
①ウイルスを寄せ付けない(外部対策) と
②体の防御力を落とさない(内部対策)
という2つの方向から感染リスクを下げる行動です。
総じて、日本の冬における感染症対策は「なんとなくやるもの」ではなく、冬という季節がつくる科学的な弱点を補うための合理的な行動だと言えます。
元教員としての経験を生かして 私は社会人になってから昨年度までの3年間、福岡県の各地にある中学校の社会科講師をしておりました。より良い指導を行い、卒業した時の生徒の「ありがとう」を糧に、未熟ではありますが全力で挑ませていただきます。よろしくお願いいたします。