日本には様々な神様がいますが、みなさんは「日本の最初の神様」はだれか知っていますか。
イザナギ?、イザナミ?、アマテラス?
有名な神様ですが、いずれも最初の神様ではありません。
どんな神様がどのような順番で登場するかは、西暦712年、稗田阿礼(ひえだのあれ)が暗唱したものを太安万侶(おおのやすまろ)が書き写したとされる「古事記」の中にかいてあります。
「古事記」は日本最古の書物として有名ですね。
ちなみに幕末、山口県で四国連合艦隊下関砲撃事件が起こり、彦島(山口県下関市)が外国に取られそうになったときに「高杉晋作」が「古事記」を暗唱することで、事なきを得た話が残っています。
(日本は神々の国なので他国には渡さない、と言いたかったのでしょう。)
さて、日本の最初の神様は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)です。
あめのみなかぬしのかみ、今日はこれだけは覚えて帰ってください。
ここからは古事記の記述を見ていきましょう。
『古事記(こじき)』は、日本の国と神々のはじまりを伝える日本最古の歴史書です。
物語の最初では、まだ天も地も分かれず、世界はどろどろにまじり合った混沌(こんとん)のような状態でした。その中から、まず自然に三柱(みはしら)の神様があらわれます。
これを「造化三神(ぞうかさんしん)」といいます。
最初の神は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)で、宇宙のまんなかにある中心の神とされます。
次に現れたのが高御産巣日神(たかみむすひのかみ)と神産巣日神(かみむすひのかみ)で、「むすひ」というのは「命を生み出す力」という意味です。
これらの神々は一人で現れてすぐに姿をかくしてしまい、姿かたちは分かりません。つまり、この世ができる前の、目に見えない「はじまりの力」を表しているのです。
次に、宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)と天之常立神(あめのとこたちのかみ)という神が現れます。
これで五柱の神が生まれ、天地の基礎が整いました。
ここまでの神々を「別天津神(ことあまつかみ)」と呼びます。
その後、世界が少しずつ形を作り始めると、男女の神がペアで生まれるようになります。
この神々を「神世七代(かみのよななよ)」といい、七組目に生まれたのが、有名な伊邪那岐神(いざなぎのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)です。
この二神が、いよいよ日本の国土を作る大切な役目を与えられます。
天の神々は二神に「まだ海のように漂っている国土をかためなさい」と命じ、「天の沼矛(あめのぬぼこ)」という神聖な矛(ほこ)を授けました。
伊邪那岐と伊邪那美は「天の浮橋(あめのうきはし)」という空にかかる橋の上から海をかきまぜ、矛を引き上げると、その先からしたたり落ちたしずくが固まり、淤能碁呂島(おのごろじま)という最初の島ができました。
二神はその島に降り立ち、「天の御柱(あめのみはしら)」という大きな柱を立てて、おたがいに柱を回って出会う儀式を行いました。
最初に伊邪那美が声をかけたため、うまくいかず、正しい順番でやり直すと、二神は正式に夫婦となりました。こうして日本の島々を生み出す「国生み(くにうみ)」が始まりました。
淡路島、四国、隠岐、九州、本州など、八つの島を生んだといわれています。
そのあと二神は山や川、風や木など、さまざまな神々を生む「神生み(かみうみ)」を行いました。
しかし、火の神・迦具土神(かぐつちのかみ)を生んだとき、イザナミは火の熱でやけどをして亡くなってしまいます。
悲しんだイザナギは怒りにまかせてカグツチを斬り、その血からも多くの神々が生まれました。
妻を失ったイザナギは、どうしてもイザナミにもう一度会いたいと思い、死者の国である「黄泉(よみ)の国」へ行きます。
しかし、そこで見たイザナミの姿は、すでに腐り果てた恐ろしいものでした。
イザナギは恐ろしくなって逃げ出し、二度とこの世と黄泉の国が行き来できないように、大きな岩でその入り口をふさぎました。
黄泉から戻ったイザナギは、「黄泉の国の穢れ(けがれ)を落とさねばならぬ」と考え、川で身を清める「禊(みそぎ)」を行いました。
このとき、体のあちこちを洗うたびに多くの神々が生まれ、最後に顔を洗ったとき、もっとも尊い三柱の神が生まれます。
左の目からは天照大御神(あまてらすおおみかみ)、右の目からは月読命(つくよみのみこと)、鼻からは建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)が生まれました。
この三柱を「三貴子(さんきし)」といいます。
イザナギはこの三柱にそれぞれの役目を与えました。
アマテラスには天の世界「高天原(たかまのはら)」を、ツクヨミには夜の国を、スサノオには海の国をまかせます。
とくにアマテラスは太陽の神として光と正義をつかさどり、天上の神々の中心となります。
『古事記』では、このアマテラスがのちに天皇家の祖先となり、日本の国を照らす存在として描かれます。
このように、『古事記』のはじまりは、世界が形づくられるところから、国が生まれ、人々を守る神々が誕生するまでの大きな物語です。
天照大御神が生まれるまでの流れは、日本の神話の中でもとくに大切な部分であり、「光と命がこの世界に満ちていく」ことを象徴しています。
福岡東エリア、舞松原教室教室長。 入社5年目。教務能力向上のため2024年に数検準1級を取得。ただいま、1級合格に向けて勉強中!!「元気に分かりやすく」がモットーです。